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アーシラトと沈みゆく砂漠 ストーリー をテンプレートにして作成
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&ref(バビロニアの魔塔/バビロニアの魔塔01.jpg,240x130);
※○○にはユーザー名が入ります。
天に高くそびえるバビロニアの魔塔。
○○とバビロニアの神様たちはその見事な景色を眺めていた。
「バビロニアの魔塔は本当に高いですね~!ここでもこんなに地面...
ナビィは空を飛ぶことはできるが、この高さまで飛ぶのはさすが...
「そうだねぇ。もっと高い所にはアヌ様が使っている部屋なんか...
「そこまで自分の足で登ろうって思う神様はいないと思うけど...
イシュタル様、ティアマト様もそれぞれ魔塔の外の景色を眺めている。
白い雲がふわふわと近くを漂うほどの高さのある一室から外を...
一歩でも足を踏み外したら……と考えればぞっとするが、青い空...
「あの海にはヤム様が住んでいるんですよね!」
「そうそう、ヤムとレヴィアタンはあの海からここまでやってくるんだ...
何もかもが小さく見えるこの場所ですら、青々とした海の広大...
海の神とは、この広大な領域を統べる力を持った偉大な神なの...
しかし、ここでティアマト様が何かに気が付く。
「あら…?何だか様子が変じゃない?」
「えっ?どうかしましたか~?」
「ほら、なんだか…海が拡がってきているような」
----
実はティアマト様が異変に気付くその何時間か前に、すでに異変に気...
バビロニア地域の天界と海沿いをよく行き来し、のんびりと生活を...
加えて、その時同じ場にいたヤム様、ヤム様がいつも連れている竜...
「なんだか、今日は海が騒々しいね」
ダゴン様は穏やかに海を観察する。何かが普段と違う。
「魔神でも現れたのでしょうか?でも、もっとおかしな気配を...
レヴィアタンも海を眺め、背びれを揺らして辺りを観察している様子...
しかし、この場の神々はまだ情報が少ないこともあり、何が違...
「魔神の仕業なら怖いわ……。まだ何が起きているかわからない...
「そうだね。……」
ダゴン様はふむ、と何か考えるように顎に手を添える。
「やっぱり、知ることって大事じゃないかな。僕少し様子を見...
そういうなり、ダゴン様はすっと立ち上がり、迷いなく海へと向...
「それなら、僕はほかの神たちに応援を呼んできます。きっとキ...
同じく、ヤム様もその場を離れるべく、魔塔のある方角へ体を向...
「ふ、二人ともここを離れてしまうの? 危ないわ……!私はこ...
「それなら、アーシラトはそこで待っていて。すぐに戻るから」
「はい。僕とレヴィアタンも応援を呼び次第すぐに戻ります」
ダゴン様もヤム様、レヴィアタンもその場を去り、ただ一人取り残され...
「……本当に、すぐに戻ってきてくれるのかしら」
アーシラト様は不安そうな面持ちのまま、二人の行く先を見守った。
----
ダゴン様、ヤム様が動き始めた辺りで、アヌ様やエンキ様、アプス様、そ...
「バビロニアの海で、多少なりとも空間のゆがみを感じてね。近く...
「空間のゆがみ、ですか?」
「そう、バビロニアの海で直接何かがあったわけではないみたいだ...
「間接的にバビロニアの海に影響を与えているということか」
その何かが何であるのかはまだアヌ様の管轄している領域に現れ...
「ふーん……アプス、どうしようか。たぶん魔塔にはちょうど○○も...
「はい、それが良いかと。私も同行しますよ」
「俺はヤムと合流しよう。海の様子も気になるからな」
「わかりました、バアルも気を付けて」
そして、この場に残ったのはアヌ様一人。あちこちの様子を天空...
----
「くすん……二人とも、すぐに戻ってくるって……戻ってくるって...
異変が起きつつあり、不穏な気配の中、いつ魔神が現れてもお...
辺りを見回してもダゴン様とヤム様、レヴィアタンが戻ってくる気配も...
「皆、大丈夫なのかしら……私もどちらかについていくべきだっ...
すでに海は広がり、先ほどまで砂浜であった場所まで海水が広...
ふらふらと同じ辺りを行ったり来たりしつつ辺りを見回すアーシラト...
「……! 小さい子供だわ」
アーシラト様は、倒れている子供を発見しすぐさま駆け寄り、倒れて...
「大丈夫? ……ぼろぼろだわ。どうしてこんなに……」
「ウーン……」
「大丈夫よ。私が守ってあげるから……」
しかし、アーシラト様がそっと抱きかかえるその子は、間違いなくクレ...
----
&ref(アーシラトと沈みゆく砂漠エリアデータ/バビロニアの魔...
海上での調査を進めるうち、サイリスに遭遇。
そしてそののちにはファルとも遭遇する神々の一行。
どちらも何者かを追っているような、そんな焦りを感じた。
「追っているのはやはり、クレプシード家でしょうか」
「そう思うわ。スヴェイかヘレグが開けた裂け目を使って海上に現れ...
アプス様、ティアマト様がファルとサイリスの行動について思索を巡らせる。
現在、バビロニアの海にて力を宿した品々を回収する作業を進めて...
「ほわぁ、海の浸食が少しずつおさまってるよ~!」
「そうですね、力の宿った物を引き上げる作戦は上手く行って...
海上からミツバチと共に海の様子を観察しているハンナハンナ様、
ハンナハンナ様やミツバチの誘導に従い、海底に沈む力を宿した品々を回...
「そちらの様子はどうだ?エンキドゥ」
「すな、どける。さけめ、ある」
「どこにある?」
「このした!」
「今度はここか。わかった、こっちに戻ってこい」
ギルガメッシュ様とエンキドゥ様もハンナハンナ様、ヤム様達と同じく海の調査を...
海中にある裂け目は一見見つかりにくいところにあるが、ギルガ...
「ギル、かしこい。ギルすいりする、さけめある。すごい!」
「フン、当然だ。隠すようにあるのなら、隠しやすそうな所や死...
「みんな順調に作業を進められているみたいだね」
「そうだな。アナト、魔神は片づけられたか?」
「もちろんよ!バアルお兄ちゃんとダゴンは大丈夫?」
「俺は大丈夫だ」 「こっちも平気。だから次はモートの手伝いを…...
拾い集めたものを狙い、襲ってくる魔神を片付けるバアル様、アナト...
ダゴン様は直接の戦闘はせず、各方向から襲い掛かってくる魔神...
「やれやれ…これだけ数が多いと相手にするのも面倒だな」
「そう?私は面倒でもないわ。少し物足りないくらいよ」
「アナトは戦いが好きだからな。確かに、サイリスやファルとやらの戦闘...
魔神を討伐したモート様も合流する。
バアル様、アナト様、モート様は戦闘を得意としている神だけに
ただ魔神と戦うだけでは物足りないようだ。
「でも、皆のお陰で戦うのがある程度余裕あるのは間違いない...
ダゴン様はそう、笑顔で付け加えた。
----
&ref(バビロニア冥界/バビロニア冥界1.jpg,240x130);
その頃、バビロニアの冥界では、ニンアズ様がスヴェイとヘレグの治療を終...
『はは!神サマはほんっとお人好しだな』
『キャハハ!オモシローイ!』
「おい待て!まだ完全に回復していないんだ、安静にしてろ!」
『だってよ、スヴェイ。こーんな所で安静だとさ』
『アンセー?』
『ずっと寝てろってこった』
『エー!スヴェイ、アソびたいー!』
「どうしたんだ、ニンアズ。急に騒がしくなったが……」
「わ~!クレプシード家が飛んでる!」
「ネルガル、ナムタル!安静にしろと言ったのに聞かないんだ」
スヴェイとヘレグは治療によってある程度の力を取り戻したらしい。
あれだけぼろぼろになり戦闘能力も失っていたはずだが、
今は空間をものともせず、ヘレグに至っては杖を構えている。
「エレシュキガル様の冥界で、勝手な真似はさせない」
『おーおー、怖いねぇ。なんだ神サマ、ケガ人相手に本気で戦おう...
「ネルガル、落ち着いて。あの二人ただ浮いてるだけだから、戦う...
「でも、何かあってからじゃ遅いよ」
「騒がしいわよ。なんの騒ぎ?」 「どうしたの、皆……まぁ!」
「エレシュキガル様!それにアーシラトさん、地上に戻ったんじゃなかった...
「ええ、だってそこの二人を放っておけなかったんだもの」
そこの二人、とは間違いなくスヴェイとヘレグを指していた。
いつ戦闘が始まるかもわからない状況で、アーシラト様は変わらずスウ...
『まぁ……ここで一発戦って行っても仕方ねぇからな』
『どうせドンパチするなら、こんな辛気臭い冥界じゃなくて、派...
『ウン!ハデなとこー!キャハハハ!』
「確かにその通りだけど、辛気臭いだなんて言ってくれるわね」
「! エレシュキガル様の土地を侮辱するなんて許せない!」
たまらずネルガル様がスヴェイとヘレグに向かって太陽の力を込めた攻...
しかし、その攻撃はどちらにも当たらず、冥界にパッと明るい花...
「逃げたわ!」
「い、一瞬で消えた!どこに行ったんだろう」
「くっ……力が回復してたから、隙間に逃げられたかな」
怒りをあらわにしながらも、周りの状況はしっかりと確認して...
指さす先には、暗い冥界では目立たないものの、深淵を覗かせ...
「あそこに逃げ込まれたら、こちらも下手に追えないな……」
「いいわ、あの二人は逃がしておきましょう。あなた達が無事...
「ごめんなさい、エレシュキガル様……つい、発言が許せずに先走って...
「いいのよ、ネルガル。私を思って行動してくれたことは嬉しいわ...
「はい…!エレシュキガル様、頑張ります」
「ネルガル~、あのパッと明るくなるやつ、またやってほしいな。ク...
「さっきの……?もちろん!あれくらいならいつでもやるよ」
ネルガル様の笑顔は太陽のように明るくまぶしい。
バビロニア冥界は、先ほどの花火によるものか、安堵した神々の談...
アーシラト様、そしてニンアズ様はなにか引っかかるものがあるような...
----
&ref(バビロニアの魔塔/バビロニアの魔塔01.jpg,240x130);
バビロニアの魔塔では、アヌ様やエンキ様、ムンム様、シャマシュ様、シン様、アスタ...
「この務めも重要ではあるが、戦いに行けないのは残念だね」
「私はこの仕事結構好きよ。みんなを支える大事な仕事だもの」
「派手さはないがの。空で見守る天体の務めと似ているわい」
「皆さん、少し休憩を……あの、紅茶を淹れたんです。アヌ様が、...
「へぇ、気が利くな。アヌ様の事だから、そろそろ誰かがさぼり...
「えっ!?誰もさぼってなんていないわよ」
「そうじゃそうじゃ。ワシだってくたくたじゃ」
反論するアスタル様の机には資料の陰に隠すようにジャーキーがこっそ...
もっとも、シャマシュ様は本気で気が付いていないようだったが。
「あの……そろそろ、バビロニア冥界からも……報告があるかと思いま...
「そうか、ありがとうムンム。君も少し休んだほうがいい、あちこ...
「いえ……!わ、私は……皆さんのお役に立てているなら、それで…...
シン様に気遣われたことが嬉しかったのか、恥ずかしがりな一面...
「この紅茶とってもいい匂い!珍しい茶葉って言ってたけど、ム...
「ふむふむ……ワシは紅茶に詳しくないもんでな、皆同じに感じる...
「やれやれ。ジャンキーなものばっかり口にしてるからですよ」
----
ぱたぱたとバビロニアの魔塔を駆け上り、アヌ様とエンキ様のもとへと...
戻った旨を伝える前に、小部屋から漏れるアヌ様とエンキ様の会話を...
「やっぱり逃げたみたいだね」
「スヴェイとヘレグ、ですか。予想通りで何よりですよ」
「エアもアスタルも頭が回るからね。順当に事が運んで助かるよ。ニンア...
「彼は聡いですから。冥界に居るだけあって生者と亡者の違い...
声をかけるタイミングを失ったムンム様は、廊下で静かにアヌ様とエンキ様...
「あと、たぶんスヴェイに触れたアーシラトも何かしらを感じ取ってい...
「? なにを感じ取ったのかな。見るだけではわからない情報...
「そうですね……」
「待って。ムンム、ご苦労様。立って話を聞いているのも疲れるよ...
「ひっ……!は、はい!」
結果的にではあるが、ムンム様が立ち聞きしていた事もアヌ様にはば...
ほっとしたような、申し訳なさがあるような心境のまま、部屋...
そして、アヌ様とエンキ様のクレプシード家についての会話は、そのまま...
アヌ様は自身の領域であれば目が届く。冥界での会話も、把握し...
----
&ref(バビロニア冥界/バビロニア冥界1.jpg,240x130);
「クレプシード家の、少なくともスヴェイとヘレグについてある程度分か...
バビロニア冥界にて、アーシラト様の前でそう述べるニンアズ様は口元に手...
「あの二人を診察した結果、確かに神の力を感じた。それは、...
「神とほぼ同等のものだったんです」
その言葉を真摯に聞くアーシラト様。スヴェイに触れた彼女も小さくう...
「わかるわ。私は医神ではないから、感覚的なことでしかわか...
「魔神や魔物に触れた時とは違ったの。ニンアズがそう答えてくれ...
アーシラト様は安堵したのか優しく微笑む。
一人では不確かであった妙な違和感を、ニンアズ様が解消してくれ...
「ですが……神であるなら、どの地域の神であるかも大体わかる...
「スヴェイとヘレグはそれがわからなかった。依然、正体不明ではあ...
「それに、継ぎ接ぎを境に神の力の質も微妙に違った。これも...
ニンアズ様は診察結果から推測した考えを並べていく。
「……正体不明、なのね」
「ニンアズ、私はあの子を抱えた時に、それとはまた少し違うもの...
「何かにしがみつくような、寂しいような、切ないような……そ...
「スヴェイ本人はそう思っている様子はなかったけれど、あの感覚...
アーシラト様が静かにつぶやく。……そして、静かに立ち上がる。
「ニンアズ。私、あの子たちをもっと知りたいわ」
アーシラト様の目には、決意のような、強い意志が感じられた。
知ることで、敵対する必要がなくなるかもしれない。
わずかではあるが、希望を抱きつつアーシラト様は地上へと向かった。
終了行:
&ref(バビロニアの魔塔/バビロニアの魔塔01.jpg,240x130);
※○○にはユーザー名が入ります。
天に高くそびえるバビロニアの魔塔。
○○とバビロニアの神様たちはその見事な景色を眺めていた。
「バビロニアの魔塔は本当に高いですね~!ここでもこんなに地面...
ナビィは空を飛ぶことはできるが、この高さまで飛ぶのはさすが...
「そうだねぇ。もっと高い所にはアヌ様が使っている部屋なんか...
「そこまで自分の足で登ろうって思う神様はいないと思うけど...
イシュタル様、ティアマト様もそれぞれ魔塔の外の景色を眺めている。
白い雲がふわふわと近くを漂うほどの高さのある一室から外を...
一歩でも足を踏み外したら……と考えればぞっとするが、青い空...
「あの海にはヤム様が住んでいるんですよね!」
「そうそう、ヤムとレヴィアタンはあの海からここまでやってくるんだ...
何もかもが小さく見えるこの場所ですら、青々とした海の広大...
海の神とは、この広大な領域を統べる力を持った偉大な神なの...
しかし、ここでティアマト様が何かに気が付く。
「あら…?何だか様子が変じゃない?」
「えっ?どうかしましたか~?」
「ほら、なんだか…海が拡がってきているような」
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実はティアマト様が異変に気付くその何時間か前に、すでに異変に気...
バビロニア地域の天界と海沿いをよく行き来し、のんびりと生活を...
加えて、その時同じ場にいたヤム様、ヤム様がいつも連れている竜...
「なんだか、今日は海が騒々しいね」
ダゴン様は穏やかに海を観察する。何かが普段と違う。
「魔神でも現れたのでしょうか?でも、もっとおかしな気配を...
レヴィアタンも海を眺め、背びれを揺らして辺りを観察している様子...
しかし、この場の神々はまだ情報が少ないこともあり、何が違...
「魔神の仕業なら怖いわ……。まだ何が起きているかわからない...
「そうだね。……」
ダゴン様はふむ、と何か考えるように顎に手を添える。
「やっぱり、知ることって大事じゃないかな。僕少し様子を見...
そういうなり、ダゴン様はすっと立ち上がり、迷いなく海へと向...
「それなら、僕はほかの神たちに応援を呼んできます。きっとキ...
同じく、ヤム様もその場を離れるべく、魔塔のある方角へ体を向...
「ふ、二人ともここを離れてしまうの? 危ないわ……!私はこ...
「それなら、アーシラトはそこで待っていて。すぐに戻るから」
「はい。僕とレヴィアタンも応援を呼び次第すぐに戻ります」
ダゴン様もヤム様、レヴィアタンもその場を去り、ただ一人取り残され...
「……本当に、すぐに戻ってきてくれるのかしら」
アーシラト様は不安そうな面持ちのまま、二人の行く先を見守った。
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ダゴン様、ヤム様が動き始めた辺りで、アヌ様やエンキ様、アプス様、そ...
「バビロニアの海で、多少なりとも空間のゆがみを感じてね。近く...
「空間のゆがみ、ですか?」
「そう、バビロニアの海で直接何かがあったわけではないみたいだ...
「間接的にバビロニアの海に影響を与えているということか」
その何かが何であるのかはまだアヌ様の管轄している領域に現れ...
「ふーん……アプス、どうしようか。たぶん魔塔にはちょうど○○も...
「はい、それが良いかと。私も同行しますよ」
「俺はヤムと合流しよう。海の様子も気になるからな」
「わかりました、バアルも気を付けて」
そして、この場に残ったのはアヌ様一人。あちこちの様子を天空...
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「くすん……二人とも、すぐに戻ってくるって……戻ってくるって...
異変が起きつつあり、不穏な気配の中、いつ魔神が現れてもお...
辺りを見回してもダゴン様とヤム様、レヴィアタンが戻ってくる気配も...
「皆、大丈夫なのかしら……私もどちらかについていくべきだっ...
すでに海は広がり、先ほどまで砂浜であった場所まで海水が広...
ふらふらと同じ辺りを行ったり来たりしつつ辺りを見回すアーシラト...
「……! 小さい子供だわ」
アーシラト様は、倒れている子供を発見しすぐさま駆け寄り、倒れて...
「大丈夫? ……ぼろぼろだわ。どうしてこんなに……」
「ウーン……」
「大丈夫よ。私が守ってあげるから……」
しかし、アーシラト様がそっと抱きかかえるその子は、間違いなくクレ...
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&ref(アーシラトと沈みゆく砂漠エリアデータ/バビロニアの魔...
海上での調査を進めるうち、サイリスに遭遇。
そしてそののちにはファルとも遭遇する神々の一行。
どちらも何者かを追っているような、そんな焦りを感じた。
「追っているのはやはり、クレプシード家でしょうか」
「そう思うわ。スヴェイかヘレグが開けた裂け目を使って海上に現れ...
アプス様、ティアマト様がファルとサイリスの行動について思索を巡らせる。
現在、バビロニアの海にて力を宿した品々を回収する作業を進めて...
「ほわぁ、海の浸食が少しずつおさまってるよ~!」
「そうですね、力の宿った物を引き上げる作戦は上手く行って...
海上からミツバチと共に海の様子を観察しているハンナハンナ様、
ハンナハンナ様やミツバチの誘導に従い、海底に沈む力を宿した品々を回...
「そちらの様子はどうだ?エンキドゥ」
「すな、どける。さけめ、ある」
「どこにある?」
「このした!」
「今度はここか。わかった、こっちに戻ってこい」
ギルガメッシュ様とエンキドゥ様もハンナハンナ様、ヤム様達と同じく海の調査を...
海中にある裂け目は一見見つかりにくいところにあるが、ギルガ...
「ギル、かしこい。ギルすいりする、さけめある。すごい!」
「フン、当然だ。隠すようにあるのなら、隠しやすそうな所や死...
「みんな順調に作業を進められているみたいだね」
「そうだな。アナト、魔神は片づけられたか?」
「もちろんよ!バアルお兄ちゃんとダゴンは大丈夫?」
「俺は大丈夫だ」 「こっちも平気。だから次はモートの手伝いを…...
拾い集めたものを狙い、襲ってくる魔神を片付けるバアル様、アナト...
ダゴン様は直接の戦闘はせず、各方向から襲い掛かってくる魔神...
「やれやれ…これだけ数が多いと相手にするのも面倒だな」
「そう?私は面倒でもないわ。少し物足りないくらいよ」
「アナトは戦いが好きだからな。確かに、サイリスやファルとやらの戦闘...
魔神を討伐したモート様も合流する。
バアル様、アナト様、モート様は戦闘を得意としている神だけに
ただ魔神と戦うだけでは物足りないようだ。
「でも、皆のお陰で戦うのがある程度余裕あるのは間違いない...
ダゴン様はそう、笑顔で付け加えた。
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&ref(バビロニア冥界/バビロニア冥界1.jpg,240x130);
その頃、バビロニアの冥界では、ニンアズ様がスヴェイとヘレグの治療を終...
『はは!神サマはほんっとお人好しだな』
『キャハハ!オモシローイ!』
「おい待て!まだ完全に回復していないんだ、安静にしてろ!」
『だってよ、スヴェイ。こーんな所で安静だとさ』
『アンセー?』
『ずっと寝てろってこった』
『エー!スヴェイ、アソびたいー!』
「どうしたんだ、ニンアズ。急に騒がしくなったが……」
「わ~!クレプシード家が飛んでる!」
「ネルガル、ナムタル!安静にしろと言ったのに聞かないんだ」
スヴェイとヘレグは治療によってある程度の力を取り戻したらしい。
あれだけぼろぼろになり戦闘能力も失っていたはずだが、
今は空間をものともせず、ヘレグに至っては杖を構えている。
「エレシュキガル様の冥界で、勝手な真似はさせない」
『おーおー、怖いねぇ。なんだ神サマ、ケガ人相手に本気で戦おう...
「ネルガル、落ち着いて。あの二人ただ浮いてるだけだから、戦う...
「でも、何かあってからじゃ遅いよ」
「騒がしいわよ。なんの騒ぎ?」 「どうしたの、皆……まぁ!」
「エレシュキガル様!それにアーシラトさん、地上に戻ったんじゃなかった...
「ええ、だってそこの二人を放っておけなかったんだもの」
そこの二人、とは間違いなくスヴェイとヘレグを指していた。
いつ戦闘が始まるかもわからない状況で、アーシラト様は変わらずスウ...
『まぁ……ここで一発戦って行っても仕方ねぇからな』
『どうせドンパチするなら、こんな辛気臭い冥界じゃなくて、派...
『ウン!ハデなとこー!キャハハハ!』
「確かにその通りだけど、辛気臭いだなんて言ってくれるわね」
「! エレシュキガル様の土地を侮辱するなんて許せない!」
たまらずネルガル様がスヴェイとヘレグに向かって太陽の力を込めた攻...
しかし、その攻撃はどちらにも当たらず、冥界にパッと明るい花...
「逃げたわ!」
「い、一瞬で消えた!どこに行ったんだろう」
「くっ……力が回復してたから、隙間に逃げられたかな」
怒りをあらわにしながらも、周りの状況はしっかりと確認して...
指さす先には、暗い冥界では目立たないものの、深淵を覗かせ...
「あそこに逃げ込まれたら、こちらも下手に追えないな……」
「いいわ、あの二人は逃がしておきましょう。あなた達が無事...
「ごめんなさい、エレシュキガル様……つい、発言が許せずに先走って...
「いいのよ、ネルガル。私を思って行動してくれたことは嬉しいわ...
「はい…!エレシュキガル様、頑張ります」
「ネルガル~、あのパッと明るくなるやつ、またやってほしいな。ク...
「さっきの……?もちろん!あれくらいならいつでもやるよ」
ネルガル様の笑顔は太陽のように明るくまぶしい。
バビロニア冥界は、先ほどの花火によるものか、安堵した神々の談...
アーシラト様、そしてニンアズ様はなにか引っかかるものがあるような...
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バビロニアの魔塔では、アヌ様やエンキ様、ムンム様、シャマシュ様、シン様、アスタ...
「この務めも重要ではあるが、戦いに行けないのは残念だね」
「私はこの仕事結構好きよ。みんなを支える大事な仕事だもの」
「派手さはないがの。空で見守る天体の務めと似ているわい」
「皆さん、少し休憩を……あの、紅茶を淹れたんです。アヌ様が、...
「へぇ、気が利くな。アヌ様の事だから、そろそろ誰かがさぼり...
「えっ!?誰もさぼってなんていないわよ」
「そうじゃそうじゃ。ワシだってくたくたじゃ」
反論するアスタル様の机には資料の陰に隠すようにジャーキーがこっそ...
もっとも、シャマシュ様は本気で気が付いていないようだったが。
「あの……そろそろ、バビロニア冥界からも……報告があるかと思いま...
「そうか、ありがとうムンム。君も少し休んだほうがいい、あちこ...
「いえ……!わ、私は……皆さんのお役に立てているなら、それで…...
シン様に気遣われたことが嬉しかったのか、恥ずかしがりな一面...
「この紅茶とってもいい匂い!珍しい茶葉って言ってたけど、ム...
「ふむふむ……ワシは紅茶に詳しくないもんでな、皆同じに感じる...
「やれやれ。ジャンキーなものばっかり口にしてるからですよ」
----
ぱたぱたとバビロニアの魔塔を駆け上り、アヌ様とエンキ様のもとへと...
戻った旨を伝える前に、小部屋から漏れるアヌ様とエンキ様の会話を...
「やっぱり逃げたみたいだね」
「スヴェイとヘレグ、ですか。予想通りで何よりですよ」
「エアもアスタルも頭が回るからね。順当に事が運んで助かるよ。ニンア...
「彼は聡いですから。冥界に居るだけあって生者と亡者の違い...
声をかけるタイミングを失ったムンム様は、廊下で静かにアヌ様とエンキ様...
「あと、たぶんスヴェイに触れたアーシラトも何かしらを感じ取ってい...
「? なにを感じ取ったのかな。見るだけではわからない情報...
「そうですね……」
「待って。ムンム、ご苦労様。立って話を聞いているのも疲れるよ...
「ひっ……!は、はい!」
結果的にではあるが、ムンム様が立ち聞きしていた事もアヌ様にはば...
ほっとしたような、申し訳なさがあるような心境のまま、部屋...
そして、アヌ様とエンキ様のクレプシード家についての会話は、そのまま...
アヌ様は自身の領域であれば目が届く。冥界での会話も、把握し...
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&ref(バビロニア冥界/バビロニア冥界1.jpg,240x130);
「クレプシード家の、少なくともスヴェイとヘレグについてある程度分か...
バビロニア冥界にて、アーシラト様の前でそう述べるニンアズ様は口元に手...
「あの二人を診察した結果、確かに神の力を感じた。それは、...
「神とほぼ同等のものだったんです」
その言葉を真摯に聞くアーシラト様。スヴェイに触れた彼女も小さくう...
「わかるわ。私は医神ではないから、感覚的なことでしかわか...
「魔神や魔物に触れた時とは違ったの。ニンアズがそう答えてくれ...
アーシラト様は安堵したのか優しく微笑む。
一人では不確かであった妙な違和感を、ニンアズ様が解消してくれ...
「ですが……神であるなら、どの地域の神であるかも大体わかる...
「スヴェイとヘレグはそれがわからなかった。依然、正体不明ではあ...
「それに、継ぎ接ぎを境に神の力の質も微妙に違った。これも...
ニンアズ様は診察結果から推測した考えを並べていく。
「……正体不明、なのね」
「ニンアズ、私はあの子を抱えた時に、それとはまた少し違うもの...
「何かにしがみつくような、寂しいような、切ないような……そ...
「スヴェイ本人はそう思っている様子はなかったけれど、あの感覚...
アーシラト様が静かにつぶやく。……そして、静かに立ち上がる。
「ニンアズ。私、あの子たちをもっと知りたいわ」
アーシラト様の目には、決意のような、強い意志が感じられた。
知ることで、敵対する必要がなくなるかもしれない。
わずかではあるが、希望を抱きつつアーシラト様は地上へと向かった。
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