百神~ヒャクカミ~データwiki
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眠る老婆と乾く清水 ストーリー をテンプレートにして作成
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&ref(アイヌの里/アイヌの里1.jpg,240x130);
※○○にはユーザー名が入ります。
ある昼下がりのカムイの御山。
アイヌ地域にそびえたつこの山には清らかな清流が流れており、
カムイの御山に暮らす者たちには欠かせない川だ。
「カワ、ついた!ミズくみ!」
「たくさんくんだら、アブないのです~。ゆっくり、はこびます...
「ねぇねぇ、イチバンもてるの、ダレかな~?」
「きゃっきゃ!ミズくみ、ダイジ!ぷぅ。でも、たくさんはオモい...
にぎやかに川へ水を汲みに来たのはコロボックル様達だ。
コロボックル様達はいつも元気で、水を汲みに来るだけでもはしゃい...
彼らの務めはいつも遊びの延長なのかもしれない。
すると川に近づいたコロボックルが何かに気付く。
「ぽえ?」
「どうしたの~?」
「ぽえぽえ……カワ、ミズがスクない?」
その言葉を聞いて、残りのコロボックル様達も川に近寄っていく。
そしてその異変にそれぞれが気づき始めた。
「ミズ、へってるみたいです~」
「なんでだろ~?たくさん、へってる~!」
「ぷぅ、ワッカウシカムイさま、おひるね?」
「ワッカウシカムイさま、いつもおひるねしてます~」
川の水かさはコロボックル様が気づいたとおり、普段よりも確かに少...
そこで、コロボックル様達は並んで、川の水面をぱしゃぱしゃと叩く。
「モーシモーシ……ワッカウシカムイさま~?」
「おミズがスクないです~」
「ねぇねぇ、ワッカウシカムイさま~!おひるね~?」
「ワッカウシカムイさま、おきておきて~」
それぞれが水の神であるワッカウシカムイ様に向けて、川に対して声を...
「ワッカウシカムイさま、ヘンジないよよよ……」
「いつもキヅいて、オカシくれるのに~」
「シンパイです~。アペフチカムイさまに、お知らせします~」
「ねぇねぇ、ワッカウシカムイさまのイエ、みにいこ~♪」
「ぷぅ、ボクもいく~。シンパイだね~、おひるねなら、アンシンする...
「ぽえ……ペトルンカムイさまにも、おハナシしよう!」
水汲みのことなどすっかり忘れたコロボックル様らは、それぞれの目...
----
カムイの御山の異変のみならず、森の中でもある異変が起こってい...
「おかしいわ。今の時期にしては森が乾いているの」
「わかるわぁ…肌に良くない空気になっているわよね。雨乞いも...
この異変に気付いたのは、潤いについて敏感なシリコロカムイ様とホイヌサ...
「木々が揺らす葉が、どこか乾いた音がするのは……水が足りな...
「シランパちゃんも気が付いているかしらね。なんだか変な様子っ...
「ええ、気が付いているのではないかしら。彼も樹木の神です...
まだ決定的な物を確認していないとはいえ、明らかに異変であ...
「ホイヌサバカムイは色々な神に会ってこの異変を伝えてもらえるかし...
「あら…アタシが行くの?まぁこの状況だもの、仕方ないわね」
口ではそう言いつつも、見逃すことができない異変については...
ホイヌサバカムイが過去に封印されていたときは、雨が降らず乾いた地...
----
アイヌの深山や森とは一変して、異変に気付いている者はおらず、...
ナビィと○○も里でくつろぎつつ、アペフチカムイ様が振舞って下さる料...
「アペフチばぁちゃん!魚はこの辺に置いとくな!」
「ほほ!助かるよ。今日は魚料理をたんと作れるね!それもこ...
レプンカムイ様とアトゥイコロカムイ様が獲ってきてくださった新鮮な魚を使...
チセコロカムイ様は新鮮な魚を前に目を丸くしながら、アペフチカムイ様のお...
「アペフチばあさま、まだピチピチしてるべさ~!掴もうとしても、...
「そりゃね、掴む力が足りないんだよ。もっとがっちり!こう...
「おお~。さすがばあさまだべ。おらもコツ、掴めばできるかな...
魚と格闘するチセコロカムイ様の横で、アトゥイコロカムイ様が何かに気付く。
「ん?」
「ねぇちゃん、どうした?」
「いや、さっきそこの茂みが揺れたような」
レプンカムイ様がアトゥイコロカムイ様の示す茂みに目を遣ると、確かに茂み...
そして……。
「きゃぷっ……ついたです~!」
草をかき分け姿を現したのは、桃色の髪のコロボックル様だった。
----
コロボックル様の話を伺い、この場にいるメンバーも異変に気付く。
「確かに、火の勢いがやたらあると思ったんだ。コリャ乾燥してい...
「おらは全然気が付かなかったよ~。コロボックルはすごいべ~」
「ワタシ、オドロキました。カワがちょっとヘンなのって、みたことない...
「小さいからこそ、気づけたことかもしれないね。偉いよ」
「そうなると、確かにワッカウシカムイに何かあったかもしれないねぇ」
「ばぁちゃん、オレも手伝うよ!魔神がでるかもしれないだろ」
「ほほ!助かるよ。腹ごしらえしたら出発するかね!」
アペフチカムイ様は出発する気満々のようだ。
用意のできた料理を振舞いつつ、新鮮な魚に下ごしらえをする。
魚料理は夕飯になりそうだ。
「レプンカムイがワッカウシカムイの様子を見に行くなら、あたしは海の様子...
「あっ、確かに……ねぇちゃん、そこは頼む!」
「うん。ワッカウシカムイによろしくね」
アトゥイコロカムイ様は一足先に海へ向かった。
アイヌ地域全体に影響があったなら、海にも何か起きているかもし...
アペフチカムイ様は魚の下ごしらえを終え、やれやれとつぶやく。
「全く。ワッカシカムイの力を持って行ったのなら大したやつだよ。い...
アペフチカムイ様いわく、ワッカウシカムイ様はアペフチカムイ様とは対の存在。
双子のような、姉妹のような、切っても切れない関係にあるそ...
「ヨシッ!行くよ!このババについてきんしゃい!」
アペフチカムイ様は愛用の杖を手に取り、共に出発する神々を鼓舞し...
----
ワッカウシカムイ様の姿をかたどった、得体のしれない魔神を倒しては...
海岸で戦った際、ウパシチロンヌプカムイ様の言っていた作戦をうまく試...
『そう簡単にはいきませんヨ』
液状の魔神を作った張本人であるシグリエから妨害を受けていた。
「あんれ~?さっきの魔神、こっちさ来たよな~?」
「うん、来たと思うんだけどな~…先回りしすぎた?」
「あっ!チロンヌプカムイくん~!あっちだべ~!」
「えっ!?あっ、あそこに穴があいてたんだ~!」
チセコロカムイ様、チロンヌプカムイ様は魔神を追いかけ逃げる先へ先回りす...
「そっちだ!」
「よし、追い込んだ」
チセコロカムイ様とチロンヌプカムイ様の先回りをかわされてしまう所まで見...
進路と退路に逃げ場がなくなった液状の魔神は地面に潜り込ん...
すると……
「やったー!ひっかかった!」
後方からイソポカムイ様やサロルンカムイ様の声が上がる。
魔神を乗せた地面は……いや、地面に仕掛けられていた罠は突然...
「はぁ、はぁ……どう?あたしの糸で織った布を何重にも重ねた...
「……お疲れ」
急いで布を織ったヤウシケプカムイ様が疲弊しながらも追いつく。
作戦を考えたウパシチロンヌプカムイ様も、状況を確認しながらそっとヤウ...
魔神はしみだして逃げようとするもうまく逃げだせないらしく...
『寄ってたかって攻撃だなんて、神サマってえげつないことする...
「シグリエ、えげつないとかオマエが言うことじゃねぇだろ!」
「本当にな!」
『おっと』
シグリエの挑発にも耳を貸さず、レプンカムイ様とソコロカムイ様が飛び出しシ...
だが、捕らえたのはシグリエの白衣の裾であった。
『ワタシ程度の存在で苦戦しているなんて、神も大したことありま...
「なんなんだアンタ!さっきから腹立つことばっか言いやがって。...
『ええ、嫌いですヨ!他のクレプシード家のヤツらはどうか知りません...
ペトルンカムイ様が痺れを切らしたのか、シグリエの挑発に噛みつく。
「他のクレプシード家のみなさんと、シグリエは考えていることが違う...
『さぁどうだか。ワタシには興味のないことですネ!』
「えっ、他の奴らは仲間じゃないの?」
『答える義理はありませんネ』
ナビィやアトゥイコロカムイ様の質問も聞かず、シグリエは神様の攻撃を避け...
シグリエは捕らえた魔神を解放しようと隙を伺っているのか、まだ...
「面倒なヤツだな……!さっさとカタつけたいところだね」
「アイヌ地域の水に目を付けるくらいだ。こっちも容赦している余...
ペトルンカムイ様とソコロカムイ様は言い争わず、二人ともが目の前のシグリエ...
----
戦闘をする神様達とは少々外れたところで、アペフチカムイ様やワッカウシ...
完全とは言わないものの力を取り戻したワッカウシカムイ様が祈ると、...
「ふぅ、こんなもんかい。これで川や池の生き物もまた暮らせ...
「…ありがとう。……魚達も喜んでいる」
「キュンキュン!おみずいっぱい~!よかった~!」
チェプコロカムイ様は大きな袋から川の生き物や魚達を放していく。
シトゥンペカムイ様はその手伝いをしながら、水遊びをしているようだ。
「おミズ、もどってよかったです~」
「よかったよかった~!キラキラしてるよ~!」
「スゴーい!ワッカウシカムイさま、さすがだね~!」
「ボク、ノドかわいてた~……ぴゃっ!ツメたい!」
「やれやれ、コロボックル達も安心したみたいだね!」
「悪かったねぇ、アペフチ。戦っている所を抜け出してくるなんて」
「本当にね!しかし、魔神が逃げて長期戦になりそうっていう...
「コロちゃん達、水に落っこちないようにね。……さて、アタシは雨乞...
「ああ、ホイヌサバカムイ。森や山のことも潤してやっておくれ」
「ええ。ワッカウシのおババから頼まれるのは分かるけど、まさか、...
「ババ達は皆を心配しているだけだよ。ホイヌサバカムイの薄着も、オマ...
「ホイヌサバカムイ、体を冷やすんじゃないよ!アタシはここを離れちま...
「言われなくとも適当に休ませてもらうわ。雨乞いが上手くい...
一息ついた所で、アペフチカムイ様とワッカウシカムイ様のもとに一羽のカラス……...
「おやまぁ、あんな所から。ワタシ達も出番のようだね」
「ほほ!それならさっさと向かうよ。オマエさん、案内できるね?
カララクカムイ様は一声あげて答えると、旋回をやめ、導くように先へ...
「元気がいいねぇ。川についてはチェプコロカムイやシトゥンペカムイに任せ...
「ホレ!急ぐよワッカウシ!まだ事件は解決しちゃいないんだからね!」
「もちろんだよ。ワタシもまだ、あの……くれぷなんとか、って子と...
アペフチカムイ様、ワッカウシカムイ様は、カララクカムイ様に案内されつつ、現場に...
----
ワッカウシカムイ様とアペフチカムイ様が戻ってくると、レプンカムイ様が声をかけ...
「ばぁちゃん!シグリエならあっちに!」
「おやまぁ……随分よく逃げているね」
レプンカムイ様の指さす先には、目まぐるしく腕を動かし、神様達を...
非常に素早い動きで木々の間を縫って、アイヌの神々から逃げたり...
外部の存在であろうシグリエが地の利を生かして戦っているという...
「なんであんなに早く動き回れるんだ……レタルセタカムイやホロケウカムイなら...
「すでにこの土地を調べていて知っていた……と言うことだろう...
『アハハ!いい顔ですネ。ワタシが何にも知らないでこの土地に来てい...
『全くの大違いですヨ。この実験をするためにワタシはここへ来た...
『最良の結果を出すために、調査は惜しみませんヨ。今のように...
驚くペトルンカムイ様とソコロカムイ様の前で、悠々と語るシグリエ。挑発的な...
「ほほ、アイヌの神々を甘く見られちゃ困るね!ババ達がついたか...
「ババ達の出番だね。アペフチと肩を並べて戦うのはいつぶりにな...
『どれだけ神が増えようと変わりありませんヨ。ワタシ達は神を超...
「馬鹿なこと言ってんじゃないよ!なに訳の分からないことを...
『ええ、満たされているアナタ方にはずっとわからない事でしょう...
先ほどまで飄々としていたシグリエの言葉だったが、最後の発言だ...
『……失礼しましタ。少々感情的に話してしまいましたネ。とりあ...
「何が礎だ。必要以上に搾取することや、他者を苦しめ、悲し...
「水が欲しかったならそう言えばいいだろ!欲張んな!ここはア...
気に食わない様子のシグリエ。
神を作る、神を超える……それらの発言の意図は一体何なのか。
そして以前、バビロニア地域で聞いた、クレプシード家は神とほとんど...
様々な仮定が立ちつつも、目の前に立ちふさがる強敵を見据え...
まずは、この地の異変を解決しなければ!
終了行:
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※○○にはユーザー名が入ります。
ある昼下がりのカムイの御山。
アイヌ地域にそびえたつこの山には清らかな清流が流れており、
カムイの御山に暮らす者たちには欠かせない川だ。
「カワ、ついた!ミズくみ!」
「たくさんくんだら、アブないのです~。ゆっくり、はこびます...
「ねぇねぇ、イチバンもてるの、ダレかな~?」
「きゃっきゃ!ミズくみ、ダイジ!ぷぅ。でも、たくさんはオモい...
にぎやかに川へ水を汲みに来たのはコロボックル様達だ。
コロボックル様達はいつも元気で、水を汲みに来るだけでもはしゃい...
彼らの務めはいつも遊びの延長なのかもしれない。
すると川に近づいたコロボックルが何かに気付く。
「ぽえ?」
「どうしたの~?」
「ぽえぽえ……カワ、ミズがスクない?」
その言葉を聞いて、残りのコロボックル様達も川に近寄っていく。
そしてその異変にそれぞれが気づき始めた。
「ミズ、へってるみたいです~」
「なんでだろ~?たくさん、へってる~!」
「ぷぅ、ワッカウシカムイさま、おひるね?」
「ワッカウシカムイさま、いつもおひるねしてます~」
川の水かさはコロボックル様が気づいたとおり、普段よりも確かに少...
そこで、コロボックル様達は並んで、川の水面をぱしゃぱしゃと叩く。
「モーシモーシ……ワッカウシカムイさま~?」
「おミズがスクないです~」
「ねぇねぇ、ワッカウシカムイさま~!おひるね~?」
「ワッカウシカムイさま、おきておきて~」
それぞれが水の神であるワッカウシカムイ様に向けて、川に対して声を...
「ワッカウシカムイさま、ヘンジないよよよ……」
「いつもキヅいて、オカシくれるのに~」
「シンパイです~。アペフチカムイさまに、お知らせします~」
「ねぇねぇ、ワッカウシカムイさまのイエ、みにいこ~♪」
「ぷぅ、ボクもいく~。シンパイだね~、おひるねなら、アンシンする...
「ぽえ……ペトルンカムイさまにも、おハナシしよう!」
水汲みのことなどすっかり忘れたコロボックル様らは、それぞれの目...
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カムイの御山の異変のみならず、森の中でもある異変が起こってい...
「おかしいわ。今の時期にしては森が乾いているの」
「わかるわぁ…肌に良くない空気になっているわよね。雨乞いも...
この異変に気付いたのは、潤いについて敏感なシリコロカムイ様とホイヌサ...
「木々が揺らす葉が、どこか乾いた音がするのは……水が足りな...
「シランパちゃんも気が付いているかしらね。なんだか変な様子っ...
「ええ、気が付いているのではないかしら。彼も樹木の神です...
まだ決定的な物を確認していないとはいえ、明らかに異変であ...
「ホイヌサバカムイは色々な神に会ってこの異変を伝えてもらえるかし...
「あら…アタシが行くの?まぁこの状況だもの、仕方ないわね」
口ではそう言いつつも、見逃すことができない異変については...
ホイヌサバカムイが過去に封印されていたときは、雨が降らず乾いた地...
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アイヌの深山や森とは一変して、異変に気付いている者はおらず、...
ナビィと○○も里でくつろぎつつ、アペフチカムイ様が振舞って下さる料...
「アペフチばぁちゃん!魚はこの辺に置いとくな!」
「ほほ!助かるよ。今日は魚料理をたんと作れるね!それもこ...
レプンカムイ様とアトゥイコロカムイ様が獲ってきてくださった新鮮な魚を使...
チセコロカムイ様は新鮮な魚を前に目を丸くしながら、アペフチカムイ様のお...
「アペフチばあさま、まだピチピチしてるべさ~!掴もうとしても、...
「そりゃね、掴む力が足りないんだよ。もっとがっちり!こう...
「おお~。さすがばあさまだべ。おらもコツ、掴めばできるかな...
魚と格闘するチセコロカムイ様の横で、アトゥイコロカムイ様が何かに気付く。
「ん?」
「ねぇちゃん、どうした?」
「いや、さっきそこの茂みが揺れたような」
レプンカムイ様がアトゥイコロカムイ様の示す茂みに目を遣ると、確かに茂み...
そして……。
「きゃぷっ……ついたです~!」
草をかき分け姿を現したのは、桃色の髪のコロボックル様だった。
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コロボックル様の話を伺い、この場にいるメンバーも異変に気付く。
「確かに、火の勢いがやたらあると思ったんだ。コリャ乾燥してい...
「おらは全然気が付かなかったよ~。コロボックルはすごいべ~」
「ワタシ、オドロキました。カワがちょっとヘンなのって、みたことない...
「小さいからこそ、気づけたことかもしれないね。偉いよ」
「そうなると、確かにワッカウシカムイに何かあったかもしれないねぇ」
「ばぁちゃん、オレも手伝うよ!魔神がでるかもしれないだろ」
「ほほ!助かるよ。腹ごしらえしたら出発するかね!」
アペフチカムイ様は出発する気満々のようだ。
用意のできた料理を振舞いつつ、新鮮な魚に下ごしらえをする。
魚料理は夕飯になりそうだ。
「レプンカムイがワッカウシカムイの様子を見に行くなら、あたしは海の様子...
「あっ、確かに……ねぇちゃん、そこは頼む!」
「うん。ワッカウシカムイによろしくね」
アトゥイコロカムイ様は一足先に海へ向かった。
アイヌ地域全体に影響があったなら、海にも何か起きているかもし...
アペフチカムイ様は魚の下ごしらえを終え、やれやれとつぶやく。
「全く。ワッカシカムイの力を持って行ったのなら大したやつだよ。い...
アペフチカムイ様いわく、ワッカウシカムイ様はアペフチカムイ様とは対の存在。
双子のような、姉妹のような、切っても切れない関係にあるそ...
「ヨシッ!行くよ!このババについてきんしゃい!」
アペフチカムイ様は愛用の杖を手に取り、共に出発する神々を鼓舞し...
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ワッカウシカムイ様の姿をかたどった、得体のしれない魔神を倒しては...
海岸で戦った際、ウパシチロンヌプカムイ様の言っていた作戦をうまく試...
『そう簡単にはいきませんヨ』
液状の魔神を作った張本人であるシグリエから妨害を受けていた。
「あんれ~?さっきの魔神、こっちさ来たよな~?」
「うん、来たと思うんだけどな~…先回りしすぎた?」
「あっ!チロンヌプカムイくん~!あっちだべ~!」
「えっ!?あっ、あそこに穴があいてたんだ~!」
チセコロカムイ様、チロンヌプカムイ様は魔神を追いかけ逃げる先へ先回りす...
「そっちだ!」
「よし、追い込んだ」
チセコロカムイ様とチロンヌプカムイ様の先回りをかわされてしまう所まで見...
進路と退路に逃げ場がなくなった液状の魔神は地面に潜り込ん...
すると……
「やったー!ひっかかった!」
後方からイソポカムイ様やサロルンカムイ様の声が上がる。
魔神を乗せた地面は……いや、地面に仕掛けられていた罠は突然...
「はぁ、はぁ……どう?あたしの糸で織った布を何重にも重ねた...
「……お疲れ」
急いで布を織ったヤウシケプカムイ様が疲弊しながらも追いつく。
作戦を考えたウパシチロンヌプカムイ様も、状況を確認しながらそっとヤウ...
魔神はしみだして逃げようとするもうまく逃げだせないらしく...
『寄ってたかって攻撃だなんて、神サマってえげつないことする...
「シグリエ、えげつないとかオマエが言うことじゃねぇだろ!」
「本当にな!」
『おっと』
シグリエの挑発にも耳を貸さず、レプンカムイ様とソコロカムイ様が飛び出しシ...
だが、捕らえたのはシグリエの白衣の裾であった。
『ワタシ程度の存在で苦戦しているなんて、神も大したことありま...
「なんなんだアンタ!さっきから腹立つことばっか言いやがって。...
『ええ、嫌いですヨ!他のクレプシード家のヤツらはどうか知りません...
ペトルンカムイ様が痺れを切らしたのか、シグリエの挑発に噛みつく。
「他のクレプシード家のみなさんと、シグリエは考えていることが違う...
『さぁどうだか。ワタシには興味のないことですネ!』
「えっ、他の奴らは仲間じゃないの?」
『答える義理はありませんネ』
ナビィやアトゥイコロカムイ様の質問も聞かず、シグリエは神様の攻撃を避け...
シグリエは捕らえた魔神を解放しようと隙を伺っているのか、まだ...
「面倒なヤツだな……!さっさとカタつけたいところだね」
「アイヌ地域の水に目を付けるくらいだ。こっちも容赦している余...
ペトルンカムイ様とソコロカムイ様は言い争わず、二人ともが目の前のシグリエ...
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戦闘をする神様達とは少々外れたところで、アペフチカムイ様やワッカウシ...
完全とは言わないものの力を取り戻したワッカウシカムイ様が祈ると、...
「ふぅ、こんなもんかい。これで川や池の生き物もまた暮らせ...
「…ありがとう。……魚達も喜んでいる」
「キュンキュン!おみずいっぱい~!よかった~!」
チェプコロカムイ様は大きな袋から川の生き物や魚達を放していく。
シトゥンペカムイ様はその手伝いをしながら、水遊びをしているようだ。
「おミズ、もどってよかったです~」
「よかったよかった~!キラキラしてるよ~!」
「スゴーい!ワッカウシカムイさま、さすがだね~!」
「ボク、ノドかわいてた~……ぴゃっ!ツメたい!」
「やれやれ、コロボックル達も安心したみたいだね!」
「悪かったねぇ、アペフチ。戦っている所を抜け出してくるなんて」
「本当にね!しかし、魔神が逃げて長期戦になりそうっていう...
「コロちゃん達、水に落っこちないようにね。……さて、アタシは雨乞...
「ああ、ホイヌサバカムイ。森や山のことも潤してやっておくれ」
「ええ。ワッカウシのおババから頼まれるのは分かるけど、まさか、...
「ババ達は皆を心配しているだけだよ。ホイヌサバカムイの薄着も、オマ...
「ホイヌサバカムイ、体を冷やすんじゃないよ!アタシはここを離れちま...
「言われなくとも適当に休ませてもらうわ。雨乞いが上手くい...
一息ついた所で、アペフチカムイ様とワッカウシカムイ様のもとに一羽のカラス……...
「おやまぁ、あんな所から。ワタシ達も出番のようだね」
「ほほ!それならさっさと向かうよ。オマエさん、案内できるね?
カララクカムイ様は一声あげて答えると、旋回をやめ、導くように先へ...
「元気がいいねぇ。川についてはチェプコロカムイやシトゥンペカムイに任せ...
「ホレ!急ぐよワッカウシ!まだ事件は解決しちゃいないんだからね!」
「もちろんだよ。ワタシもまだ、あの……くれぷなんとか、って子と...
アペフチカムイ様、ワッカウシカムイ様は、カララクカムイ様に案内されつつ、現場に...
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ワッカウシカムイ様とアペフチカムイ様が戻ってくると、レプンカムイ様が声をかけ...
「ばぁちゃん!シグリエならあっちに!」
「おやまぁ……随分よく逃げているね」
レプンカムイ様の指さす先には、目まぐるしく腕を動かし、神様達を...
非常に素早い動きで木々の間を縫って、アイヌの神々から逃げたり...
外部の存在であろうシグリエが地の利を生かして戦っているという...
「なんであんなに早く動き回れるんだ……レタルセタカムイやホロケウカムイなら...
「すでにこの土地を調べていて知っていた……と言うことだろう...
『アハハ!いい顔ですネ。ワタシが何にも知らないでこの土地に来てい...
『全くの大違いですヨ。この実験をするためにワタシはここへ来た...
『最良の結果を出すために、調査は惜しみませんヨ。今のように...
驚くペトルンカムイ様とソコロカムイ様の前で、悠々と語るシグリエ。挑発的な...
「ほほ、アイヌの神々を甘く見られちゃ困るね!ババ達がついたか...
「ババ達の出番だね。アペフチと肩を並べて戦うのはいつぶりにな...
『どれだけ神が増えようと変わりありませんヨ。ワタシ達は神を超...
「馬鹿なこと言ってんじゃないよ!なに訳の分からないことを...
『ええ、満たされているアナタ方にはずっとわからない事でしょう...
先ほどまで飄々としていたシグリエの言葉だったが、最後の発言だ...
『……失礼しましタ。少々感情的に話してしまいましたネ。とりあ...
「何が礎だ。必要以上に搾取することや、他者を苦しめ、悲し...
「水が欲しかったならそう言えばいいだろ!欲張んな!ここはア...
気に食わない様子のシグリエ。
神を作る、神を超える……それらの発言の意図は一体何なのか。
そして以前、バビロニア地域で聞いた、クレプシード家は神とほとんど...
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まずは、この地の異変を解決しなければ!
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