百神~ヒャクカミ~データwiki
トップ
最終更新
単語検索
ヘルプ
蜃気楼の塔~究明編~ ストーリー をテンプレートにして作成
開始行:
&ref(蜃気楼の塔~究明編~エリアデータ/蜃気楼の塔 内部.jp...
※○○にはユーザー名が入ります。
薄暗くどこか不気味な雰囲気の蜃気楼の塔の内部。
○○と神様たちは慎重に探索を続けていた。
「うぅ~、本当にいつ崩れてしまってもおかしくないくらい壊...
ナビィの言うとおり、塔の内部は激しく損傷している。
壁の亀裂からパラパラと落ちる何かの破片、歩けば不穏に軋む崩...
「おそらく、まだ塔が崩落する事はないだろう。クレプシード家の...
ヴァルキリー様が静かに口にする。
ロイツェ=クレプシード……。
今回、蜃気楼の塔を探索している最中に新たに出会ったクレプシート...
ロイツェによれば、蜃気楼の塔の損傷はクレプシード家にとって深刻な...
そして『リダン』が遂行される時、蜃気楼の塔や世界にどのよう...
「ロイツェが言っていた『リダン』なる計画、必ず俺たちで阻止しな...
ジークフリート様の言葉に一同が頷く。その時……。
「あれ?そこに誰かいるのかい?」
この不気味な塔内に似合わない、優しい声が響いた。
----
「そ、その声……もしかして、ノイシュ……?」
ミディール様がおそるおそる声のした方角を見る。
すると、暗がりからゆっくりとノイシュ様が姿を現した。
「ミディール、それにエーディンや他のみんなも…。どうしたんだい?」
「あなたこそこんな場所でどうしたの?それに…デアドラがいない...
エーディン様の言葉にノイシュ様が睫毛を伏せる。
デアドラ様は城で育ったお嬢様だが、お転婆なところがありよく...
ここも危険地帯ではあるが、デアドラ様ならノイシュ様の制止を振り...
「うん。少し前からデアドラの姿が見えなくてね。騎士団でも情...
そこまで話すとノイシュ様が懐から何かを取り出した。
どうやらそれは手紙のようだった。
上質な封筒は赤い蝋で封が施されており、中の便箋も美しい柄...
だが、差出人は……。
「……なるほど。クレプシード家から、か」
「先日、これが僕の枕元に置いてあってね。どうやらクレプシード...
言葉は柔らかいが、ノイシュ様の声は怒りとも悲しみとも思える……...
「それならノイシュもあたしたちと一緒にこの塔を調べましょ?あ...
「……お仕置き?それはどういう事だい?」
ノイシュ様の疑問にナビィが今までの経緯を話す。
ナビィの話をゆっくり頷きながら聞いていたノイシュ様は、一度瞳を...
その瞳には彼の強い意志が宿っていた。
「僕がデアドラを探している間にそんな事があったんだね。……そ...
「俺には断る理由もないし、戦力は多いほうがいいだろう。他...
「ぼ、僕もノイシュが一緒に来てくれたら心強いし……それに、一緒...
ノイシュ様の申し出にジークフリート様とミディール様が賛成する。もちろん...
「ありがとう。みんな、よろしくね」
ノイシュ様を加えた○○たちは再び塔の探索を開始したのだった。
----
「あっ、みなさん見てください!」
ナビィの声に神様たちが駆け寄る。
そこにはいつも目にするあの黒い裂け目がゆらりと存在してい...
塔の損傷の影響だろうか、その裂け目はいつもより幾分か不安...
「ナビィ、すごいじゃない!これで先に進めるかもしれないわね」
塔はロイツェの力に阻まれて登り続けても1階に戻されてしまうた...
エーディン様に褒められてナビィは嬉しそうに笑っていたが……。
「さすがナビィだ。よし、ナビィには特別に私の新作スイーツを……」
ヴァルキリー様が笑顔で何か不穏な行動をしようとすると、ナビィは慌...
「こ、ここは危険かもしれませんし、奥に進みましょう~!ヴァ...
「なるほど。では、あとで休憩する時にでも……」
そんなやり取りの中、裂け目を見つめていたノイシュ様が、祈りに...
「……デアドラ、待っていて。そして、絶対に世界を危機から救っ...
○○と神様たちは、深い闇が手招きしているような黒い裂け目へ...
蜃気楼の塔の『リダン』を阻止し、デアドラ様を救出するために。
そして、蜃気楼の塔の謎を解き明かすために。
強き意志のもと、蜃気楼の塔を舞台に神様とクレプシード家の者た...
----
~これは蜃気楼の塔・頂上到着後の戦いの最中の事……~
ようやく到達した、蜃気楼の塔の頂上。
『リダン』を阻止すべく、数多の困難を乗り越えてきた神様たち...
崩れかけた劇場のような空間の中心では刃を交える音が響き渡...
早く目の前の人物を倒し『リダン』を阻止しなければ……その焦燥...
『おや……お客人方のお力はその程度でございましたか。私がわ...
以前と違い、若い青年のような姿や声となってあらわれたロイツェ...
その実力は姿を変えたからなのか、それとも元から力を温存し...
得物である鋭利な刃から繰り出すおそろしい攻撃の嵐と、こち...
そもそも、ロイツェと刃を交える者と『リダン』を行うための力を発...
「このまま戦闘が長引けば『リダン』の阻止は難しくなるぞ……!」
「あいつ、これだけ攻撃しても全然効いてないみてぇだ……!」
「フォルトゥナ、ヤヌス!時計の破壊はあとどのくらいだ?」
オグマ様やクーフーリン様がロイツェの攻撃を防ぎながら漏らすと、ヴァルキリー...
「大きな歪みを生み出していたものは結構壊せたと思うよ!で...
「たしかに判断には時間が掛かるけど、ヴァルキリーたちが気にして...
「ヤヌス……!うん、アタシも諦めないよ!」
普段の態度からはあまりわからない強い意志を見せるヤヌス様に、...
しかし、部屋に設置された『リダン』へのタイムリミットを示す燭台に灯...
「くっ……、ここまで来たのに、計画を食い止める事はできない...
ロイツェの刃を防ぎながらノイシュ様が焦りを滲ませながら言ったその...
「どうやらギリギリで間に合ったようね」
「おうよ!ここからが本番ってヤツだ!」
「そういう事だぜ!ミディール、大丈夫か?」
「その声……マクリルたち……?ぶ、無事だったんだ……!」
いち早く後方からの声に反応したミディール様の声に一行が後ろを...
「オスカー……!無事で、安心した……」
「必ず合流するって約束したからな!お前も無事でよかったぜ...
オイフェ様やオスカー様たちは魔物の掃討を終え、こちらへ向かってく...
----
「スカサハ師匠はどうしたんだ?お前らと一緒に残ったよな?」
「スカサハは途中まで一緒だったんだけど、はぐれてしまったの。...
オイフェ様の言葉にクーフーリン様は、スカサハ様への心配が強まったようだ...
「クーフーリン……スカサハなら、きっと大丈夫……。信じよう……?」
「あ、ああ……。そうだよな。……ありがとうな、モリガン」
『ふむ……。ナイトシアお嬢様がお力を貸したとのお話は伺いましたが...
「それはアドレナリンが沸騰するようなスタイリッシュな口上じゃのぉ!こ...
ロイツェが刃を構えなおすと同時に響く威厳のある笑い声。その声...
「オヤジ……!それにヴィーザルたちも無事だったのか」
「あはは!オレが簡単にやられるわけないだろ?兄貴がそんなにオ...
ヴァーリ様が先程コメトンとの戦いで別れたオーディン様たちの姿を目にし...
『……貴方様は今、この戦いの最中に安心をされたようにお見受...
「……なんだと?」
ロイツェの不穏な発言にヴァーリ様だけでなく、他の神様たちにも戸惑...
「こんな時に謎かけ?あなたの事だから何か意味がありそうだ...
エーディン様の言葉にロイツェは答えを出そうとはしない。こちらがそ...
「まさか、オヤジたちが本物ではない、とでも……」
ヴァーリ様がぽつりと言った言葉に皆が驚くが、否定もできないよ...
オーディン様たちが駆けつけたタイミングで発せられたロイツェの言葉。も...
「待って、ヴァーリ。私たちは本物だよ。……ヘズ?」
「あ、うん……。ヴァーリ、シヴの言う通り、僕たちは偽者なんかじ...
シヴ様の言葉に少しはぎれの悪い返事をするヘズ様。
オーディン様、トール様もヘズ様の様子を気にしつつ、自身が本物であ...
「兄貴はオレの事だけじゃなくて、他の皆も疑うんだ?オヤジとか…...
「それは……」
階段を降りてきたヴィーザル様に、オーディン様だけでなくヘズ様の名...
それは問いかけられたヴァーリ様だけでなく、他の神様たちも同様...
----
「兄貴らしくないなー、そういう顔。それに、いつからそんな...
階段の上、オーディン様たちの後ろから聞こえた声。視線を上げれ...
「おぉ!?ヴィーザルがもうひとり来おったわい!」
「これは……どうなっている?」
オーディン様やトール様だけでなく、その場の全員が困惑する中、もう...
そして、ヴァーリ様の目前まで近づいていたまったく同じ姿の人物...
「今のヴィーザルは偽者……まさか幻影、だったのか?」
『左様でございます。幻影ともお戯れになれるとは……さすが神...
ジークフリート様の言葉に冷たく静かに微笑むロイツェに、みんなが困惑...
「……やっぱりその気配、幻影だったんだね。僕がもっと早く違...
「気に病むな、ヘズ。少し違和感はあったが、ワシらも今、本物の...
「幻影って、全然見分けがつかないね。今も、どっちが本物か...
「何にせよ、本物のヴィーザルが今、ヴァーリを助けたんじゃ!さす...
こちらへと合流してきたオーディン様たちによれば、どうやら途中...
家族であるヴァーリ様やオーディン様の目も欺き、ヘズ様の気配の察知...
「お前が本物という事は、私は幻影のお前に助けられたという...
「オレの幻影が兄貴を、ね。でも幻影を本物って信じてたって事...
ヴィーザル様の真意は本物でも幻影でもヴァーリ様には理解しかねる...
『さて、貴方の隣にいるその神は、誠にご本人様なのでしょう...
不安をあおるような言葉を放つロイツェは、一行が未だにヴィーザル様...
ロイツェが刃を放とうと手を振り上げると、その目前の床に煌めく...
----
「そんな言葉で惑わされたり、仲間を疑うようじゃまだまだだ...
「あのバルディッシュにその声って……スカサハ師匠か!?」
クーフーリン様が声を上げれば、スカサハ様が部屋に姿をあらわしていた...
「あんた、本物のスカサハよね?あたしたちと塔の途中で合流した...
「何言ってるんだ?アタシは今ここに駆けつけたところだ。アンタら...
スカサハ様の言葉に、また幻影が紛れ込んでいた事を知る。一体誰...
「みんな、その気配は幻影じゃない……。判断は難しいけど、少...
「まあ、さすがヘズ様ですのね!わたくし、気配だけではわかり...
「ちょっと、デアドラ!何でも投げて判断しないでほしいわ。そ...
「ヌアダ様たち……だね」
途中加勢をしてくれたヌアダ様たちもあれから会ってはいない。...
「安心しろ!私たちは本物だぞ!」
明るい声と共に部屋にやってきたのは、まさに噂をしていた4人...
「あなたたちに会うまでに、僕たち自身の幻影は倒しておきま...
「クックック……!本物と同じとはいきませんが、なかなか興味深い体...
「そういう事だ。まぁ、君たちを助けたのは本当に私たちだっ...
ヘズ様によれば、ここにいるヌアダ様たちは幻影ではなく本物のよ...
『なるほど……。皆様お揃いならば、こちらも相応のおもてなし...
ロイツェの言葉と共に、目の前の空間に亀裂が生じる。そこからあ...
『キャハハハ!今度はスヴェイとも遊ボウヨー!』
『傷を癒すのに時間が掛かってしまったが……私たちには、今一...
『まぁ、回復を待つ間に『リダン』の準備にまわる事はできまし...
『……うぬらにはこれ以上『リダン』の邪魔はさせぬ』
『これだけ揃ってりゃ、俺らを倒すことくらい簡単なんじゃね...
姿をあらわしたクレプシード家の者たちの中で、ヘレグはゼウス様やヘルメ...
「情報収集は得意なほうだからね、ゼウスさんの頼まれ事のため...
「俺も世界の異変は目にしていたが、情報がないままで乗り込...
ゼウス様とヘルメス様の言葉を聞いたヤヌス様は、部屋の中の時計を調べ...
「……まったく、まさかヘルメスたちに巻き込まれるとはね。でも僕...
ヤヌス様はその言葉と共に、見つけ出した時計を自身の手で破壊し...
----
「世界の異変……みんな色々感じ取ってここに来たみたいですが...
ゼウス様にノイシュ様が問いかける。世界の様子がおかしい事に気付...
『ノイシュ様は塔の外の世界の様子が気になると……?では、我々が...
ロイツェはそう言うと同時に、塔の壁の亀裂へと刃を次々と投げる...
そうして見えた外の景色は、蜃気楼の塔を中心として不気味な...
空は淀んだ色の曇天、湿ったような風は木々や建物を大きく揺...
また、時空の裂け目や歪みと思われるものも発生しているのが...
まだ世界の全域には広がってはおらず、塔に来ていない神様も...
「なるほど……こんな事態になっていたんだな。早く塔の影響の...
ヴァルキリー様が焦りの声を上げたときだった。天井からパラパラとい...
先程、ロイツェが塔の壁を破壊した影響だろうか、亀裂はいつの間...
「……!みんな、天井が崩れてきているわ!早くこっちへ!」
「オイフェとマクリルが魔法を使ってる間に急げ!」
「そうだぜ!みんなこの魔方陣に入ってくれよ!」
オイフェ様とマナナン・マクリル様が崩落する天井から身を守る魔法陣を素早...
「僕たちのいる場所からでは魔方陣の場所へ行くのは危険だね...
「そうだな!ディルムッド、グラーニアをちゃんと守って走れよ?」
「あぁ、わかっている……!」
オイフェ様たちのいる場所から離れた場所に立っていたノイシュ様やオスカ...
「この程度の崩落、私のショコラガンで……」
「ネヴィン殿、さすがに危険すぎますよ。早くこっちに避難してく...
「もしどなたか怪我をされたら、私がすぐにスパスパっと治療し...
「ディアンの腕はたしかだけど、今の状況は危ないからねぇ。ひと...
「むぅ……わかった、そうしよう!」
ネヴィン様は天井に向けてショコラガンを構えていたが、ヌアダ様たちに...
そしてルーグ様に誘導されて、ノイシュ様たちとは対角線上にある部...
その避難場所も崩落の被害を受けない位置である事にヌアダ様が...
----
「きゃあっ!」
みんなが避難できる場所まで走る中、短い悲鳴が聞こえる。そ...
ナビィの上には崩れ落ちる天井の砕片が迫っているが、散りぢり...
「ちょっと、まずいわ!あのままじゃナビィが……!」
「僕が助けに行く!みんなはここに……」
グラーニア様の焦る声に、ノイシュ様が駆け出そうとした時だった。
「ナビィ、今行きますわ!」
「デアドラ!?危険だ、君は下がって!」
「わたくし、どうしても行かなければなりませんの!止めない...
デアドラ様はノイシュ様の制止を振り切って、崩れ落ちる天井の砕片...
走りやすいようにあらかじめ引き裂いたドレスは、さらに砕片が...
「デ、デアドラ様!ナビィのことは気にしないで早く戻ってください...
ナビィはそう叫ぶと、頭上に落ちてくる天井の一部を見て思わず...
なんと間一髪、デアドラ様がナビィを抱きかかえて、崩落した天井...
「ナビィ、お怪我はありませんこと?」
「だ、だいじょうぶです~!デアドラ様は怪我とかは……」
「わたくしでしたらこの通り平気ですわ!何かを投げるだけで...
デアドラ様はそう言ってナビィを崩落の危険がなさそうな場所へそ...
「デアドラ様、ありがとうございます……!」
「お礼なんて言わないでくださいませ!わたくし、ナビィのこと...
デアドラ様は笑顔でナビィを見ると、ボロボロに引き千切れてしまっ...
他の神様も次々と二人に駆け寄ってくると怪我などを心配した。
「デアドラもナビィも怪我はないかい?」
「まったく、相変わらずあなたの行動には驚かされるわね」
「デ、デアドラも、ナビィも……無事で、よかった……!」
ノイシュ様やエーディン様がデアドラ様とナビィの様子を見て安堵するが、...
「デアドラ、なかなかかっこよかったじゃないか!……むぅ、私もナ...
「ありがとうございます!ネヴィン様には遠く及びませんが、ナビィ...
笑顔で元気よく言ったデアドラ様は一呼吸おくと、凛とした表情...
「さあ、あなた方、今度こそ覚悟はよろしくて?」
『おやおや……豪腕なお嬢さんが少しばかりお仲間を助ける事を...
「ここには僕たちもいる。誰しもひとりで戦っているわけじゃ...
ノイシュ様が素早く駆け出すと、ロイツェに向かって剣技を繰り出す。...
「ノイシュの邪魔はさせませんことよ!ぬぅん!!」
『……!うぬもやりおるな』
デアドラ様はノイシュ様のもとへ駆け寄ると、コメトンの繰り出した一撃...
『まったく、貴方がたは往生際の悪いお客人だ……。旦那様の邪...
「そうはさせない!みんな、いこう!これが……私たちの最後の...
ヴァルキリー様の掛け声で他の神様も駆け出す。
こうしてこの塔にいた全員が集まり、一致団結したところで『リ...
終了行:
&ref(蜃気楼の塔~究明編~エリアデータ/蜃気楼の塔 内部.jp...
※○○にはユーザー名が入ります。
薄暗くどこか不気味な雰囲気の蜃気楼の塔の内部。
○○と神様たちは慎重に探索を続けていた。
「うぅ~、本当にいつ崩れてしまってもおかしくないくらい壊...
ナビィの言うとおり、塔の内部は激しく損傷している。
壁の亀裂からパラパラと落ちる何かの破片、歩けば不穏に軋む崩...
「おそらく、まだ塔が崩落する事はないだろう。クレプシード家の...
ヴァルキリー様が静かに口にする。
ロイツェ=クレプシード……。
今回、蜃気楼の塔を探索している最中に新たに出会ったクレプシート...
ロイツェによれば、蜃気楼の塔の損傷はクレプシード家にとって深刻な...
そして『リダン』が遂行される時、蜃気楼の塔や世界にどのよう...
「ロイツェが言っていた『リダン』なる計画、必ず俺たちで阻止しな...
ジークフリート様の言葉に一同が頷く。その時……。
「あれ?そこに誰かいるのかい?」
この不気味な塔内に似合わない、優しい声が響いた。
----
「そ、その声……もしかして、ノイシュ……?」
ミディール様がおそるおそる声のした方角を見る。
すると、暗がりからゆっくりとノイシュ様が姿を現した。
「ミディール、それにエーディンや他のみんなも…。どうしたんだい?」
「あなたこそこんな場所でどうしたの?それに…デアドラがいない...
エーディン様の言葉にノイシュ様が睫毛を伏せる。
デアドラ様は城で育ったお嬢様だが、お転婆なところがありよく...
ここも危険地帯ではあるが、デアドラ様ならノイシュ様の制止を振り...
「うん。少し前からデアドラの姿が見えなくてね。騎士団でも情...
そこまで話すとノイシュ様が懐から何かを取り出した。
どうやらそれは手紙のようだった。
上質な封筒は赤い蝋で封が施されており、中の便箋も美しい柄...
だが、差出人は……。
「……なるほど。クレプシード家から、か」
「先日、これが僕の枕元に置いてあってね。どうやらクレプシード...
言葉は柔らかいが、ノイシュ様の声は怒りとも悲しみとも思える……...
「それならノイシュもあたしたちと一緒にこの塔を調べましょ?あ...
「……お仕置き?それはどういう事だい?」
ノイシュ様の疑問にナビィが今までの経緯を話す。
ナビィの話をゆっくり頷きながら聞いていたノイシュ様は、一度瞳を...
その瞳には彼の強い意志が宿っていた。
「僕がデアドラを探している間にそんな事があったんだね。……そ...
「俺には断る理由もないし、戦力は多いほうがいいだろう。他...
「ぼ、僕もノイシュが一緒に来てくれたら心強いし……それに、一緒...
ノイシュ様の申し出にジークフリート様とミディール様が賛成する。もちろん...
「ありがとう。みんな、よろしくね」
ノイシュ様を加えた○○たちは再び塔の探索を開始したのだった。
----
「あっ、みなさん見てください!」
ナビィの声に神様たちが駆け寄る。
そこにはいつも目にするあの黒い裂け目がゆらりと存在してい...
塔の損傷の影響だろうか、その裂け目はいつもより幾分か不安...
「ナビィ、すごいじゃない!これで先に進めるかもしれないわね」
塔はロイツェの力に阻まれて登り続けても1階に戻されてしまうた...
エーディン様に褒められてナビィは嬉しそうに笑っていたが……。
「さすがナビィだ。よし、ナビィには特別に私の新作スイーツを……」
ヴァルキリー様が笑顔で何か不穏な行動をしようとすると、ナビィは慌...
「こ、ここは危険かもしれませんし、奥に進みましょう~!ヴァ...
「なるほど。では、あとで休憩する時にでも……」
そんなやり取りの中、裂け目を見つめていたノイシュ様が、祈りに...
「……デアドラ、待っていて。そして、絶対に世界を危機から救っ...
○○と神様たちは、深い闇が手招きしているような黒い裂け目へ...
蜃気楼の塔の『リダン』を阻止し、デアドラ様を救出するために。
そして、蜃気楼の塔の謎を解き明かすために。
強き意志のもと、蜃気楼の塔を舞台に神様とクレプシード家の者た...
----
~これは蜃気楼の塔・頂上到着後の戦いの最中の事……~
ようやく到達した、蜃気楼の塔の頂上。
『リダン』を阻止すべく、数多の困難を乗り越えてきた神様たち...
崩れかけた劇場のような空間の中心では刃を交える音が響き渡...
早く目の前の人物を倒し『リダン』を阻止しなければ……その焦燥...
『おや……お客人方のお力はその程度でございましたか。私がわ...
以前と違い、若い青年のような姿や声となってあらわれたロイツェ...
その実力は姿を変えたからなのか、それとも元から力を温存し...
得物である鋭利な刃から繰り出すおそろしい攻撃の嵐と、こち...
そもそも、ロイツェと刃を交える者と『リダン』を行うための力を発...
「このまま戦闘が長引けば『リダン』の阻止は難しくなるぞ……!」
「あいつ、これだけ攻撃しても全然効いてないみてぇだ……!」
「フォルトゥナ、ヤヌス!時計の破壊はあとどのくらいだ?」
オグマ様やクーフーリン様がロイツェの攻撃を防ぎながら漏らすと、ヴァルキリー...
「大きな歪みを生み出していたものは結構壊せたと思うよ!で...
「たしかに判断には時間が掛かるけど、ヴァルキリーたちが気にして...
「ヤヌス……!うん、アタシも諦めないよ!」
普段の態度からはあまりわからない強い意志を見せるヤヌス様に、...
しかし、部屋に設置された『リダン』へのタイムリミットを示す燭台に灯...
「くっ……、ここまで来たのに、計画を食い止める事はできない...
ロイツェの刃を防ぎながらノイシュ様が焦りを滲ませながら言ったその...
「どうやらギリギリで間に合ったようね」
「おうよ!ここからが本番ってヤツだ!」
「そういう事だぜ!ミディール、大丈夫か?」
「その声……マクリルたち……?ぶ、無事だったんだ……!」
いち早く後方からの声に反応したミディール様の声に一行が後ろを...
「オスカー……!無事で、安心した……」
「必ず合流するって約束したからな!お前も無事でよかったぜ...
オイフェ様やオスカー様たちは魔物の掃討を終え、こちらへ向かってく...
----
「スカサハ師匠はどうしたんだ?お前らと一緒に残ったよな?」
「スカサハは途中まで一緒だったんだけど、はぐれてしまったの。...
オイフェ様の言葉にクーフーリン様は、スカサハ様への心配が強まったようだ...
「クーフーリン……スカサハなら、きっと大丈夫……。信じよう……?」
「あ、ああ……。そうだよな。……ありがとうな、モリガン」
『ふむ……。ナイトシアお嬢様がお力を貸したとのお話は伺いましたが...
「それはアドレナリンが沸騰するようなスタイリッシュな口上じゃのぉ!こ...
ロイツェが刃を構えなおすと同時に響く威厳のある笑い声。その声...
「オヤジ……!それにヴィーザルたちも無事だったのか」
「あはは!オレが簡単にやられるわけないだろ?兄貴がそんなにオ...
ヴァーリ様が先程コメトンとの戦いで別れたオーディン様たちの姿を目にし...
『……貴方様は今、この戦いの最中に安心をされたようにお見受...
「……なんだと?」
ロイツェの不穏な発言にヴァーリ様だけでなく、他の神様たちにも戸惑...
「こんな時に謎かけ?あなたの事だから何か意味がありそうだ...
エーディン様の言葉にロイツェは答えを出そうとはしない。こちらがそ...
「まさか、オヤジたちが本物ではない、とでも……」
ヴァーリ様がぽつりと言った言葉に皆が驚くが、否定もできないよ...
オーディン様たちが駆けつけたタイミングで発せられたロイツェの言葉。も...
「待って、ヴァーリ。私たちは本物だよ。……ヘズ?」
「あ、うん……。ヴァーリ、シヴの言う通り、僕たちは偽者なんかじ...
シヴ様の言葉に少しはぎれの悪い返事をするヘズ様。
オーディン様、トール様もヘズ様の様子を気にしつつ、自身が本物であ...
「兄貴はオレの事だけじゃなくて、他の皆も疑うんだ?オヤジとか…...
「それは……」
階段を降りてきたヴィーザル様に、オーディン様だけでなくヘズ様の名...
それは問いかけられたヴァーリ様だけでなく、他の神様たちも同様...
----
「兄貴らしくないなー、そういう顔。それに、いつからそんな...
階段の上、オーディン様たちの後ろから聞こえた声。視線を上げれ...
「おぉ!?ヴィーザルがもうひとり来おったわい!」
「これは……どうなっている?」
オーディン様やトール様だけでなく、その場の全員が困惑する中、もう...
そして、ヴァーリ様の目前まで近づいていたまったく同じ姿の人物...
「今のヴィーザルは偽者……まさか幻影、だったのか?」
『左様でございます。幻影ともお戯れになれるとは……さすが神...
ジークフリート様の言葉に冷たく静かに微笑むロイツェに、みんなが困惑...
「……やっぱりその気配、幻影だったんだね。僕がもっと早く違...
「気に病むな、ヘズ。少し違和感はあったが、ワシらも今、本物の...
「幻影って、全然見分けがつかないね。今も、どっちが本物か...
「何にせよ、本物のヴィーザルが今、ヴァーリを助けたんじゃ!さす...
こちらへと合流してきたオーディン様たちによれば、どうやら途中...
家族であるヴァーリ様やオーディン様の目も欺き、ヘズ様の気配の察知...
「お前が本物という事は、私は幻影のお前に助けられたという...
「オレの幻影が兄貴を、ね。でも幻影を本物って信じてたって事...
ヴィーザル様の真意は本物でも幻影でもヴァーリ様には理解しかねる...
『さて、貴方の隣にいるその神は、誠にご本人様なのでしょう...
不安をあおるような言葉を放つロイツェは、一行が未だにヴィーザル様...
ロイツェが刃を放とうと手を振り上げると、その目前の床に煌めく...
----
「そんな言葉で惑わされたり、仲間を疑うようじゃまだまだだ...
「あのバルディッシュにその声って……スカサハ師匠か!?」
クーフーリン様が声を上げれば、スカサハ様が部屋に姿をあらわしていた...
「あんた、本物のスカサハよね?あたしたちと塔の途中で合流した...
「何言ってるんだ?アタシは今ここに駆けつけたところだ。アンタら...
スカサハ様の言葉に、また幻影が紛れ込んでいた事を知る。一体誰...
「みんな、その気配は幻影じゃない……。判断は難しいけど、少...
「まあ、さすがヘズ様ですのね!わたくし、気配だけではわかり...
「ちょっと、デアドラ!何でも投げて判断しないでほしいわ。そ...
「ヌアダ様たち……だね」
途中加勢をしてくれたヌアダ様たちもあれから会ってはいない。...
「安心しろ!私たちは本物だぞ!」
明るい声と共に部屋にやってきたのは、まさに噂をしていた4人...
「あなたたちに会うまでに、僕たち自身の幻影は倒しておきま...
「クックック……!本物と同じとはいきませんが、なかなか興味深い体...
「そういう事だ。まぁ、君たちを助けたのは本当に私たちだっ...
ヘズ様によれば、ここにいるヌアダ様たちは幻影ではなく本物のよ...
『なるほど……。皆様お揃いならば、こちらも相応のおもてなし...
ロイツェの言葉と共に、目の前の空間に亀裂が生じる。そこからあ...
『キャハハハ!今度はスヴェイとも遊ボウヨー!』
『傷を癒すのに時間が掛かってしまったが……私たちには、今一...
『まぁ、回復を待つ間に『リダン』の準備にまわる事はできまし...
『……うぬらにはこれ以上『リダン』の邪魔はさせぬ』
『これだけ揃ってりゃ、俺らを倒すことくらい簡単なんじゃね...
姿をあらわしたクレプシード家の者たちの中で、ヘレグはゼウス様やヘルメ...
「情報収集は得意なほうだからね、ゼウスさんの頼まれ事のため...
「俺も世界の異変は目にしていたが、情報がないままで乗り込...
ゼウス様とヘルメス様の言葉を聞いたヤヌス様は、部屋の中の時計を調べ...
「……まったく、まさかヘルメスたちに巻き込まれるとはね。でも僕...
ヤヌス様はその言葉と共に、見つけ出した時計を自身の手で破壊し...
----
「世界の異変……みんな色々感じ取ってここに来たみたいですが...
ゼウス様にノイシュ様が問いかける。世界の様子がおかしい事に気付...
『ノイシュ様は塔の外の世界の様子が気になると……?では、我々が...
ロイツェはそう言うと同時に、塔の壁の亀裂へと刃を次々と投げる...
そうして見えた外の景色は、蜃気楼の塔を中心として不気味な...
空は淀んだ色の曇天、湿ったような風は木々や建物を大きく揺...
また、時空の裂け目や歪みと思われるものも発生しているのが...
まだ世界の全域には広がってはおらず、塔に来ていない神様も...
「なるほど……こんな事態になっていたんだな。早く塔の影響の...
ヴァルキリー様が焦りの声を上げたときだった。天井からパラパラとい...
先程、ロイツェが塔の壁を破壊した影響だろうか、亀裂はいつの間...
「……!みんな、天井が崩れてきているわ!早くこっちへ!」
「オイフェとマクリルが魔法を使ってる間に急げ!」
「そうだぜ!みんなこの魔方陣に入ってくれよ!」
オイフェ様とマナナン・マクリル様が崩落する天井から身を守る魔法陣を素早...
「僕たちのいる場所からでは魔方陣の場所へ行くのは危険だね...
「そうだな!ディルムッド、グラーニアをちゃんと守って走れよ?」
「あぁ、わかっている……!」
オイフェ様たちのいる場所から離れた場所に立っていたノイシュ様やオスカ...
「この程度の崩落、私のショコラガンで……」
「ネヴィン殿、さすがに危険すぎますよ。早くこっちに避難してく...
「もしどなたか怪我をされたら、私がすぐにスパスパっと治療し...
「ディアンの腕はたしかだけど、今の状況は危ないからねぇ。ひと...
「むぅ……わかった、そうしよう!」
ネヴィン様は天井に向けてショコラガンを構えていたが、ヌアダ様たちに...
そしてルーグ様に誘導されて、ノイシュ様たちとは対角線上にある部...
その避難場所も崩落の被害を受けない位置である事にヌアダ様が...
----
「きゃあっ!」
みんなが避難できる場所まで走る中、短い悲鳴が聞こえる。そ...
ナビィの上には崩れ落ちる天井の砕片が迫っているが、散りぢり...
「ちょっと、まずいわ!あのままじゃナビィが……!」
「僕が助けに行く!みんなはここに……」
グラーニア様の焦る声に、ノイシュ様が駆け出そうとした時だった。
「ナビィ、今行きますわ!」
「デアドラ!?危険だ、君は下がって!」
「わたくし、どうしても行かなければなりませんの!止めない...
デアドラ様はノイシュ様の制止を振り切って、崩れ落ちる天井の砕片...
走りやすいようにあらかじめ引き裂いたドレスは、さらに砕片が...
「デ、デアドラ様!ナビィのことは気にしないで早く戻ってください...
ナビィはそう叫ぶと、頭上に落ちてくる天井の一部を見て思わず...
なんと間一髪、デアドラ様がナビィを抱きかかえて、崩落した天井...
「ナビィ、お怪我はありませんこと?」
「だ、だいじょうぶです~!デアドラ様は怪我とかは……」
「わたくしでしたらこの通り平気ですわ!何かを投げるだけで...
デアドラ様はそう言ってナビィを崩落の危険がなさそうな場所へそ...
「デアドラ様、ありがとうございます……!」
「お礼なんて言わないでくださいませ!わたくし、ナビィのこと...
デアドラ様は笑顔でナビィを見ると、ボロボロに引き千切れてしまっ...
他の神様も次々と二人に駆け寄ってくると怪我などを心配した。
「デアドラもナビィも怪我はないかい?」
「まったく、相変わらずあなたの行動には驚かされるわね」
「デ、デアドラも、ナビィも……無事で、よかった……!」
ノイシュ様やエーディン様がデアドラ様とナビィの様子を見て安堵するが、...
「デアドラ、なかなかかっこよかったじゃないか!……むぅ、私もナ...
「ありがとうございます!ネヴィン様には遠く及びませんが、ナビィ...
笑顔で元気よく言ったデアドラ様は一呼吸おくと、凛とした表情...
「さあ、あなた方、今度こそ覚悟はよろしくて?」
『おやおや……豪腕なお嬢さんが少しばかりお仲間を助ける事を...
「ここには僕たちもいる。誰しもひとりで戦っているわけじゃ...
ノイシュ様が素早く駆け出すと、ロイツェに向かって剣技を繰り出す。...
「ノイシュの邪魔はさせませんことよ!ぬぅん!!」
『……!うぬもやりおるな』
デアドラ様はノイシュ様のもとへ駆け寄ると、コメトンの繰り出した一撃...
『まったく、貴方がたは往生際の悪いお客人だ……。旦那様の邪...
「そうはさせない!みんな、いこう!これが……私たちの最後の...
ヴァルキリー様の掛け声で他の神様も駆け出す。
こうしてこの塔にいた全員が集まり、一致団結したところで『リ...
ページ名: