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&ref(雪の森/雪の森１.jpg,nolink,240x130); ※○○にはユーザー名が入ります。 北欧地域にある雪の森の一角。 ○○の周りには北欧の神々である ｵｰﾃﾞｨﾝ様、ﾄｰﾙ様、ﾛｷ様、ｼｷﾞｭﾝ様、ﾌﾚｲ様、ﾌﾚｲｱ様らが集まって... ……と言っても、この会議は深刻な内容などではなく……。 「お主……まさかそれを今持ち出しはじめるとは思っていなかっ... 「なーにを言う！ﾜｼは言ったじゃろう？宴の余興にお主の花嫁... 「誰が二度となるか。ﾜｼはもうあの格好になる理由もないので... 「宴は理由にならんとな？寂しいのう……」 ﾄｰﾙ様の花嫁姿と言えば、以前ﾄｰﾙ様がなくした神具ﾐｮﾙﾆﾙを探し... 変身とは言え、涙ｽﾃｯｷには衣装を変える程度の力しかない。そ... 「あーあ、ｵｰﾃﾞｨﾝがっかりしちゃったｼﾞｬﾝ！ちょーっと宴に出... 「そのちょーっとが嫌なのだと言っておるだろう」 「ﾋﾗﾋﾗの衣装も、よく似合ってたよ。ｸｽｸｽ……」 「そーそー！ｱﾀｼ達も思いっきり楽しんじゃったし、またやりた... 「うむ…そう言われてもだな……？」 悩むﾄｰﾙ様とは裏腹に盛り上がる周りの神様達。 確かにあの変りようは見ていてとても面白かったが…… そんなことを考えていた矢先に、ｵｰﾃﾞｨﾝ様が口走る。 「ﾄｰﾙがやらぬのなら、いっそ次はﾜｼがﾄﾞﾚｽを着る番じゃな！美... この場にいた神々が一同に沈黙する。そして次の瞬間吹き出し... 「え！？ｵｰﾃﾞｨﾝの爺さんが変身するの！？」 「ｱｯﾊﾊﾊﾊﾊ！いいｼﾞｬﾝ！ｵｰﾃﾞｨﾝが変身したらさー、もっとこう……... 「ﾌﾌ……それはいい考えかも。私達も、ｵｰﾃﾞｨﾝの変身見てみたい... その中で、ｵｰﾃﾞｨﾝ様本人ではないにもかかわらず、ﾄｰﾙ様は困惑... 「お……お主ら正気か……？！ﾜｼの変身もさることながら、ｵｰﾃﾞｨﾝ... 「さて、どうかのう？お主まだﾜｼの変身を見とらんじゃろう。... 「それならすぐに衣装の準備しなくちゃねー！ﾛｷ、ｱﾀｼ準備して... 「じゃーｵﾚも折角だから侍女の変身またやっちゃおっかなー！ｱ... 「私達も、ｼｳﾞ達を連れてくるね。きっと飾りつけ、綺麗にして... 「ﾜｼも準備するかのう！こりゃ宴もﾌｨｰﾊﾞｰ間違いなしじゃあ！」 散り散りに別れ、それぞれ準備に走る神様達。 あとに残されたﾄｰﾙ様は、自身がｳｪﾃﾞｨﾝｸﾞﾄﾞﾚｽを着たときのこと... 「また恐ろしいことをはじめようとしおって……ﾜｼは知らんぞ」 ﾄｰﾙ様もまた、大きなﾐｮﾙﾆﾙを肩に乗せ、その場を後にした。 ---- 「おかしいな……！確かにここにあったはずなのに」 眉間にしわを寄せ、頭を抱えながら同じ場所を行ったり来たり... ○○は北欧の神々と別れたあと、ﾅﾋﾞｨと合流し、雪の森を散策し... その最中に、悩めるｽﾘｭﾑ様とばったり出会ったのだ。 「ｽﾘｭﾑ様、なにかあったのですか～？」 「あぁ、○○、ﾅﾋﾞｨ！ちょうどいい所に……。この辺りで、金のｱｸｾ... 「金のｱｸｾｻﾘｰ……？」 金のｱｸｾｻﾘｰが道端に落ちていれば目立つだろうし、そんな目立... そのことを素直にｽﾘｭﾑ様にお伝えすると、がっくりとうなだれ... 「残念だ……！少し目を離した隙に落としてしまったのだろうか... ｽﾘｭﾑ様いわく、そのｱｸｾｻﾘｰは見事な金細工でできており、やっ... このまま別れるのも忍びないほどに落ち込むｽﾘｭﾑ様を慰め、○○... ---- 金のｱｸｾｻﾘｰを探しつつ、雪の森を探索してしばらくすると、突... この気配は間違いなく魔神によるものだろう。 ﾅﾋﾞｨとｽﾘｭﾑ様も気が付いたらしく、同様に足を止め辺りの様子... 「魔神が出現するのは珍しいことじゃないが、このﾀｲﾐﾝｸﾞでか…... 「き、気を付けてください～！……とりあえず、あの茂みに隠れ... 茂みに隠れることで、一旦状況を把握し情報を整理することが... ﾅﾋﾞｨの案は最善案だと考え、○○はﾅﾋﾞｨ、ｽﾘｭﾑ様と共に茂みに身... それから数刻後、森の中を巨大な魔神が後ろから前へと走り抜... あの道化師のような異様な姿の魔神は、間違いなくﾛｷ様の魔神... ﾛｷ様の魔神が過ぎ去った後、気づかれることなくやり過ごすこ... 「二人とも、さっきの魔神の手を見たか？……きらりと光ったよ... その発言のすぐ後に、女神の叫ぶ声が聞こえる。 「ﾛｷーｯ！ちょっとー！それ持っていったら、ｵｰﾃﾞｨﾝにつけらん... 「ｱﾊﾊﾊﾊ！ｼｷﾞｭﾝ、目を離した隙に魔神のｵﾚに出し抜かれちゃっ... 「ﾛｷってば魔神でも逃げ足速いから困るよー！ｱﾀｼも逃げ足、速... ﾛｷ様本人とｼｷﾞｭﾝ様の姿が見える。しかし先ほどの会議に出てい... 「わぁっ！侍女さんと執事さんなんですね～！素敵です～！」 「あっ、ﾅﾋﾞｨ！ｽﾘｭﾑと○○もいたんだ！ふっふーん、似合ってる... 「ｼｷﾞｭﾝにｽｶｰﾄはいたら？って進めたんだけど、恥ずかしいんだ... 「執事の格好でも変身は変身だよん♪ｱﾀｼ結構気に入ってるんだ... 「あぁ驚いた……本当だ、ｼｷﾞｭﾝよく似合っているよ。ﾛｷはまた恥... 「当然！だってｵﾚ、なんでも着こなしちゃうし～♪」 何故魔神を追いかけていたのかをすっかり忘れ、和気藹々と話... その後ろからゆっくりと新たに近づいてくる神様達が傍目に見... そちらに目をやると、中途半端にﾄﾞﾚｽに身を包んだｵｰﾃﾞｨﾝ様とﾄ... 「おぉｽﾘｭﾑにﾅﾋﾞｨ、それに○○までいるとはのう！ちょうどいい... 「ﾜｼとしては最悪のﾀｲﾐﾝｸﾞだったと思うがな……」 「うわぁっ……化け物かと思ったよ。せめて髭は剃ったほうがい... 「ｽﾘｭﾑよ、またこのﾐｮﾙﾆﾙを食らいたいのだな？」 「ひえっ！……また？」 合流した神々が雑談をする中、ﾍｲﾑﾀﾞﾙ様はからかおうとするﾛｷ... 「ｼｷﾞｭﾝ、結局見つかったわけ？盗まれたｱｸｾｻﾘｰ」 「あっ！……んーとね、ｺﾞﾒﾝ……取り逃がしちゃった」 「あー……まぁそんなことだろうとは思ったけどさ。まぁいいや」 「ちょっとーﾍｲﾑﾀﾞﾙちゃんってばー！ｵﾚのことは無視？ねーね... 「あーもううるっさいなぁ、大人しくしててよ」 「あぁん酷い！酷いわぁ！ねーｽﾘｭﾑちゃん！」 「えっ！？なんでそこで俺に振るんだ」 魔神にｱｸｾｻﾘｰを盗まれたというｼｷﾞｭﾝ様の発言や、ｽﾘｭﾑ様がなく... そういえば、北欧地域では過去にもﾌﾘｯｸﾞ様のｱｸｾｻﾘｰが奪われる... 「なんだか怪しい事件の予感がしますね……！」 ﾅﾋﾞｨのその発言に静かに頷く。 もしかしたら、北欧地域の他の神々も同じ事件に出くわしてい... 神々の力の宿る盗まれたｱｸｾｻﾘｰを取り返し、ｵｰﾃﾞｨﾝ様とﾄｰﾙ様の... そしてこの時にはまだ、そこそこ大変な事件に発展するとは知... ---- &ref(追討！オーディンと波乱の宴エリアデータ/フィーバー会... 北欧の神々による宴はもう始まっていた。 楽し気な音楽や声が響き、豪勢な料理の匂いが森に広がってい... 「お待たせしましたー！お次は大技、脱出ﾄﾘｯｸに挑戦いたしま... ｸﾞﾙｳﾞｪｲｸﾞ様の演目、手品が行われﾊﾟｰﾃｨｰは一層盛り上がりを増... ｴｰｷﾞﾙ様の仕込んだｷｲﾁｺﾞの果実酒がふるまわれ、 ｲｽﾞﾝ様たちが作った料理やお菓子が卓上に並ぶ。 ――そんな華やか宴に怪しい影が一つ二つと近づく。 夜闇に隠れ、いくつもの魔神が静かに神々の宴を狙っているの... それらの魔神は、日中に見かけたあの怪しい動きをしていた魔... そう、神々からｱｸｾｻﾘｰなどを盗み、身に着けていた魔神だ。 神々はそれらの魔神の行動理由は、神の力に自らの魔の力を隠... 「なーにしてんの」 暗い影に近づく神。 執事姿の衣装に身を包んだﾍｲﾑﾀﾞﾙ様が、宴の周囲を見張ってい... 元々番人として務めを果たしているﾍｲﾑﾀﾞﾙ様の目や耳をごまか... それがたとえ、夜の深い闇のなかであったとしてもだ。 「悪いけど、ｵｰﾃﾞｨﾝの宴を邪魔するようなら容赦しないよ」 ﾍｲﾑﾀﾞﾙ様は魔神に向かってにやりと笑う。 「相手が魔神なら、ﾎﾞｸも思いっきりやれるからね」 愛馬ｸﾞｯﾙﾄｯﾌﾟを連れたﾍｲﾑﾀﾞﾙ様は、どうにも機嫌がいいようだ。 ---- その一角……女神の輪の中に混じって、ﾍｽﾞ様やﾊﾞﾙﾄﾞﾙ様、ﾅﾝﾅ様... 「変だな……」 「ﾍｽﾞ、何かあった？」 「……なんだか、森の奥でざわざわと音がするんだ。魔神の気配... 「魔神の？……大変だわ、急いで誰かに伝えましょう」 すぐさま、ﾊﾞﾙﾄﾞﾙ様らは近場に居たﾄｰﾙ様に情報を伝える。 ﾄｰﾙ様は若返り、ｳｪﾃﾞｨﾝｸﾞﾄﾞﾚｽをまとっている。 会場の隅で座っているだけでもなかなかの存在感を放っていた。 「なに、魔神だと」 「そうみたいだ。もしかしたら、見張り番をしているﾍｲﾑﾀﾞﾙが... 「えっ、何々～？ﾍｲﾑﾀﾞﾙちゃんが危ないって～？」 「確かに見張り番するって言ってそのまんま戻ってきてないも... 耳ざといﾛｷ様とｼｷﾞｭﾝ様が聞きつける。ﾄｰﾙ様はﾊﾞﾙﾄﾞﾙ様らとﾛｷ... 「ﾛｷ、ｼｷﾞｭﾝ、君達も一緒に来てくれないか？ﾍｲﾑﾀﾞﾙのところに... 「ｱｯﾊﾊﾊ！ねーｼｷﾞｭﾝ、聞いた～？確かにﾍｲﾑﾀﾞﾙちゃんのことは... 「ﾛｷ！主よ、まだそうやってひねたことを言っているのか。一... 「そーそー。見に行くなら早いとこ行こっ！それで、ｸｯｷｰがな... 「ふーん？じゃー、ｵﾚらが勝手に行ってくればいいかー。いい... それらの発言にﾛｷ様は笑っているが、その笑顔がどこまで本気... また、別の一角……ﾏｰﾆ様やｿｰﾙ様、ﾑﾝﾃﾞｨﾙﾌｧﾘ様、ﾀﾞｸﾞ様やﾉｰﾄ様... 「ｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様、まだ来てないのです～」 「お忙しいのでしょうか？早く会いたいです！」 「道端で出会ったはずなのに、まだ来てないのはちょっと変だ... 「ｳﾞｧﾙｷﾘｰとｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄも、ｷｲﾁｺﾞやﾄﾘｭﾌを準備してから行くと言... 「……何かあったのかしら」 宴の中で過る不安な予感。 一層、森の闇が深くなったような気さえするのであった。 ---- &ref(北欧の港/北欧の港０３.jpg,nolink,240x130); 夜の帳が下りた北欧の港。 静けさの中に、激しく硬い物体がぶつかり合うような音が響く。 「ｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ！そっちだ、私が追い込む！」 「わかった。撃ち漏らしはしない……！」 ｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様が魔神と交戦していたのだった。 ｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様の持つ大剣ﾊﾞﾙﾑﾝｸが魔神を穿ち、致命傷を負った魔... 「すごいな、ｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ……一撃で倒すなんてさすがだ」 「ｳﾞｧﾙｷﾘｰが狙いやすいように追い込んでくれたおかげだ。あり... 「そ……そうだろうか。こちらこそありがとう」 戦闘のために小脇に置いた、ｷｲﾁｺﾞやﾄﾘｭﾌ、特製のｽｲｰﾂが入った... 「宴には出遅れてしまったな……魔神に遭遇するたびに倒してい... 「だからと言って魔神を野放しにしておくわけにもいかない。... 二人が森へ向かって歩こうとしたその時だった。 「うわぁーっ！俺の金細工がーっ！」 ---- &ref(雪の森/雪の森３.jpg,nolink,240x130); 港から程近い、森の中で声を上げたのはｽﾘｭﾑ様だ。 また、ｽﾘｭﾑ様から離れた位置で葉巻をふかしているｽｨｱﾁ様の姿... ｽﾘｭﾑ様、ｽｨｱﾁ様の見る方向には、何体もの魔神が飛び交ってい... すかさずｳﾞｧﾙｷﾘｰ様、ｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様はｽﾘｭﾑ様の傍に駆け寄る。 「あれは！こちらにもこんなに魔神が出現していたなんて」 「ｽﾘｭﾑ、大丈夫か。……怪我はないようだが」 「ああ……ありがとう。俺自身は特に何もない、が……」 青ざめた顔のｽﾘｭﾑ様が指さす先にいる魔神の手には、夜闇の中... 「俺のｱｸｾｻﾘｰが……少し目を離した隙に盗られてしまって」 「それなら取り返さなければな。魔神を放っておくわけにもい... よく見れば、どの魔神もｱｸｾｻﾘｰをいくつか持っているようだ。 金や銀、宝石などで魔神の手元や首元が彩られている。 「なんだぁ？お前らもあの宝が目当てか」 「いや、魔神を倒して取り返すという意味では目当てかもしれ... 「ははっ、そうかよ。勝手にしな」 いまいち真意の読めないｽｨｱﾁ様の発言。 悠々と葉巻をふかしながら様子を見たままだ。 ｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様はそれぞれの武器を手に持つ。 そしてそのまま魔神の群れに飛び込む！ ---- 「ﾍｲﾑﾀﾞﾙちゃーん、一人でかっこつけちゃってさー！そこで何... 「何だっていいでしょ。宴に戻りなよ」 「そうはいっても、この辺で戦ってたみたいｼﾞｬﾝ！大丈夫ー？」 静けさが戻った、宴から程近い森の中。 ﾍｲﾑﾀﾞﾙ様が近寄る魔神を一人で討伐した後に、ﾛｷ様とｼｷﾞｭﾝ様が... 雪や森の木々にその爪痕が残っている。 「ﾎﾞｸは大丈夫。ｸﾞｯﾙﾄｯﾌﾟもいてくれたし、大した相手じゃなか... 「けど、何か変だと思ったら……ｱｸｾｻﾘｰを持ってる魔神だったく... --- ﾍｲﾑﾀﾞﾙ様の気づいた異変に、ｳﾞｧﾙｷﾘｰ様らも気が付く。 何体もいた魔神たちを討伐したｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様は、魔神... 「魔神たちの持っていたｱｸｾｻﾘｰが、砂のようになって消えてし... 「……まさか。知っていたのか？」 ｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様がｽｨｱﾁ様を振り返る。ｽｨｱﾁ様はｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様に向かっ... 「俺の金細工！」 危険が去った雪の中にｽﾘｭﾑ様が飛び込む。 しかし……。 「ない」 「確かにこの辺に落ちていったところは見たんだ……なのに……」 「ねぇ、だろ？」 葉巻を片手にｽｨｱﾁ様はくっくっと笑う。 「力を与えすぎると溢れちまうのさ。あの金細工はもうどこに... 「そ、そんな！？う、嘘だ……」 崩れ落ちるｽﾘｭﾑ様。 その傍でｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様の二人は顔を合わせ、確認しあ... 「すぐさま宴に合流しよう。それでこの異変を伝えなければ」 「ｽﾘｭﾑとｽｨｱﾁも、ここに留まるのはやめたほうがいい」 「わ、わかった……」 素直に承諾するｽﾘｭﾑ様。しかしｽｨｱﾁ様は葉巻をくわえながら森... 「ｽｨｱﾁもｽﾘｭﾑも、宴に参加していたんじゃなかったのか？」 「俺は途中で抜けて、飛び切りのｱｸｾｻﾘｰを持ってこようかと思... 「その……例の花嫁が居たからね。渡そうかと思って」 ｽﾘｭﾑ様の言う花嫁は若返ったｳｪﾃﾞｨﾝｸﾞﾄﾞﾚｽ姿のﾄｰﾙ様の事だろう。 ｽﾘｭﾑ様はあの花嫁がﾄｰﾙ様とは全く気付かず、花嫁として迎えた... 一行はため息をつきながら、ﾌｨｰﾊﾞｰしている宴の会場へ向かっ... ---- &ref(追討！オーディンと波乱の宴エリアデータ/フィーバー会... ｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様、そしてｽﾘｭﾑ様が宴の会場に到着する。 ほぼ同時刻にﾛｷ様、ｼｷﾞｭﾝ様、ﾍｲﾑﾀﾞﾙ様も宴へ戻ってきた。 どちらのｸﾞﾙｰﾌﾟもそれぞれあった出来事を話す。 北欧の神々が集う宴のそのすぐ傍で起きた魔神との戦い。 雪深い森の中で起きた数々の異変そのものは小さい出来事に過... しかし、それがいくつも積み重なることで大きな事件に発展し... この異変は今に始まったことではない。 そう皆で深く考えていると、ﾄﾞﾚｽを着た若い姿のｵｰﾃﾞｨﾝ様が声... 「ﾊﾟｰﾃｨｰだと言うのにどうした！そんな所で一人で座っていて... 不安な思いが顔に出てしまっていたのだろうか。 若返ったｵｰﾃﾞｨﾝ様に言われ、思わず驚いた顔をする面々。 そしてｵｰﾃﾞｨﾝ様は明るい笑顔で答えた。 「魔神が現れようと関係ない。ここは俺の土地で、俺が守って... 「宴のためにと用意されたｸﾞﾚｰﾄな料理や酒、会場……どれもﾍﾞﾘｰ... ｵｰﾃﾞｨﾝ様のﾎｯﾄな一声で、魔神ごと不安や雪が吹き飛ばされたよ... 新しく生まれた不安や疑問はあれど、まだ宴は終わっていない... 短くとも日が昇るまで、○○は踊り続けることを覚悟したのだっ...

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&ref(雪の森/雪の森１.jpg,nolink,240x130); ※○○にはユーザー名が入ります。 北欧地域にある雪の森の一角。 ○○の周りには北欧の神々である ｵｰﾃﾞｨﾝ様、ﾄｰﾙ様、ﾛｷ様、ｼｷﾞｭﾝ様、ﾌﾚｲ様、ﾌﾚｲｱ様らが集まって... ……と言っても、この会議は深刻な内容などではなく……。 「お主……まさかそれを今持ち出しはじめるとは思っていなかっ... 「なーにを言う！ﾜｼは言ったじゃろう？宴の余興にお主の花嫁... 「誰が二度となるか。ﾜｼはもうあの格好になる理由もないので... 「宴は理由にならんとな？寂しいのう……」 ﾄｰﾙ様の花嫁姿と言えば、以前ﾄｰﾙ様がなくした神具ﾐｮﾙﾆﾙを探し... 変身とは言え、涙ｽﾃｯｷには衣装を変える程度の力しかない。そ... 「あーあ、ｵｰﾃﾞｨﾝがっかりしちゃったｼﾞｬﾝ！ちょーっと宴に出... 「そのちょーっとが嫌なのだと言っておるだろう」 「ﾋﾗﾋﾗの衣装も、よく似合ってたよ。ｸｽｸｽ……」 「そーそー！ｱﾀｼ達も思いっきり楽しんじゃったし、またやりた... 「うむ…そう言われてもだな……？」 悩むﾄｰﾙ様とは裏腹に盛り上がる周りの神様達。 確かにあの変りようは見ていてとても面白かったが…… そんなことを考えていた矢先に、ｵｰﾃﾞｨﾝ様が口走る。 「ﾄｰﾙがやらぬのなら、いっそ次はﾜｼがﾄﾞﾚｽを着る番じゃな！美... この場にいた神々が一同に沈黙する。そして次の瞬間吹き出し... 「え！？ｵｰﾃﾞｨﾝの爺さんが変身するの！？」 「ｱｯﾊﾊﾊﾊﾊ！いいｼﾞｬﾝ！ｵｰﾃﾞｨﾝが変身したらさー、もっとこう……... 「ﾌﾌ……それはいい考えかも。私達も、ｵｰﾃﾞｨﾝの変身見てみたい... その中で、ｵｰﾃﾞｨﾝ様本人ではないにもかかわらず、ﾄｰﾙ様は困惑... 「お……お主ら正気か……？！ﾜｼの変身もさることながら、ｵｰﾃﾞｨﾝ... 「さて、どうかのう？お主まだﾜｼの変身を見とらんじゃろう。... 「それならすぐに衣装の準備しなくちゃねー！ﾛｷ、ｱﾀｼ準備して... 「じゃーｵﾚも折角だから侍女の変身またやっちゃおっかなー！ｱ... 「私達も、ｼｳﾞ達を連れてくるね。きっと飾りつけ、綺麗にして... 「ﾜｼも準備するかのう！こりゃ宴もﾌｨｰﾊﾞｰ間違いなしじゃあ！」 散り散りに別れ、それぞれ準備に走る神様達。 あとに残されたﾄｰﾙ様は、自身がｳｪﾃﾞｨﾝｸﾞﾄﾞﾚｽを着たときのこと... 「また恐ろしいことをはじめようとしおって……ﾜｼは知らんぞ」 ﾄｰﾙ様もまた、大きなﾐｮﾙﾆﾙを肩に乗せ、その場を後にした。 ---- 「おかしいな……！確かにここにあったはずなのに」 眉間にしわを寄せ、頭を抱えながら同じ場所を行ったり来たり... ○○は北欧の神々と別れたあと、ﾅﾋﾞｨと合流し、雪の森を散策し... その最中に、悩めるｽﾘｭﾑ様とばったり出会ったのだ。 「ｽﾘｭﾑ様、なにかあったのですか～？」 「あぁ、○○、ﾅﾋﾞｨ！ちょうどいい所に……。この辺りで、金のｱｸｾ... 「金のｱｸｾｻﾘｰ……？」 金のｱｸｾｻﾘｰが道端に落ちていれば目立つだろうし、そんな目立... そのことを素直にｽﾘｭﾑ様にお伝えすると、がっくりとうなだれ... 「残念だ……！少し目を離した隙に落としてしまったのだろうか... ｽﾘｭﾑ様いわく、そのｱｸｾｻﾘｰは見事な金細工でできており、やっ... このまま別れるのも忍びないほどに落ち込むｽﾘｭﾑ様を慰め、○○... ---- 金のｱｸｾｻﾘｰを探しつつ、雪の森を探索してしばらくすると、突... この気配は間違いなく魔神によるものだろう。 ﾅﾋﾞｨとｽﾘｭﾑ様も気が付いたらしく、同様に足を止め辺りの様子... 「魔神が出現するのは珍しいことじゃないが、このﾀｲﾐﾝｸﾞでか…... 「き、気を付けてください～！……とりあえず、あの茂みに隠れ... 茂みに隠れることで、一旦状況を把握し情報を整理することが... ﾅﾋﾞｨの案は最善案だと考え、○○はﾅﾋﾞｨ、ｽﾘｭﾑ様と共に茂みに身... それから数刻後、森の中を巨大な魔神が後ろから前へと走り抜... あの道化師のような異様な姿の魔神は、間違いなくﾛｷ様の魔神... ﾛｷ様の魔神が過ぎ去った後、気づかれることなくやり過ごすこ... 「二人とも、さっきの魔神の手を見たか？……きらりと光ったよ... その発言のすぐ後に、女神の叫ぶ声が聞こえる。 「ﾛｷーｯ！ちょっとー！それ持っていったら、ｵｰﾃﾞｨﾝにつけらん... 「ｱﾊﾊﾊﾊ！ｼｷﾞｭﾝ、目を離した隙に魔神のｵﾚに出し抜かれちゃっ... 「ﾛｷってば魔神でも逃げ足速いから困るよー！ｱﾀｼも逃げ足、速... ﾛｷ様本人とｼｷﾞｭﾝ様の姿が見える。しかし先ほどの会議に出てい... 「わぁっ！侍女さんと執事さんなんですね～！素敵です～！」 「あっ、ﾅﾋﾞｨ！ｽﾘｭﾑと○○もいたんだ！ふっふーん、似合ってる... 「ｼｷﾞｭﾝにｽｶｰﾄはいたら？って進めたんだけど、恥ずかしいんだ... 「執事の格好でも変身は変身だよん♪ｱﾀｼ結構気に入ってるんだ... 「あぁ驚いた……本当だ、ｼｷﾞｭﾝよく似合っているよ。ﾛｷはまた恥... 「当然！だってｵﾚ、なんでも着こなしちゃうし～♪」 何故魔神を追いかけていたのかをすっかり忘れ、和気藹々と話... その後ろからゆっくりと新たに近づいてくる神様達が傍目に見... そちらに目をやると、中途半端にﾄﾞﾚｽに身を包んだｵｰﾃﾞｨﾝ様とﾄ... 「おぉｽﾘｭﾑにﾅﾋﾞｨ、それに○○までいるとはのう！ちょうどいい... 「ﾜｼとしては最悪のﾀｲﾐﾝｸﾞだったと思うがな……」 「うわぁっ……化け物かと思ったよ。せめて髭は剃ったほうがい... 「ｽﾘｭﾑよ、またこのﾐｮﾙﾆﾙを食らいたいのだな？」 「ひえっ！……また？」 合流した神々が雑談をする中、ﾍｲﾑﾀﾞﾙ様はからかおうとするﾛｷ... 「ｼｷﾞｭﾝ、結局見つかったわけ？盗まれたｱｸｾｻﾘｰ」 「あっ！……んーとね、ｺﾞﾒﾝ……取り逃がしちゃった」 「あー……まぁそんなことだろうとは思ったけどさ。まぁいいや」 「ちょっとーﾍｲﾑﾀﾞﾙちゃんってばー！ｵﾚのことは無視？ねーね... 「あーもううるっさいなぁ、大人しくしててよ」 「あぁん酷い！酷いわぁ！ねーｽﾘｭﾑちゃん！」 「えっ！？なんでそこで俺に振るんだ」 魔神にｱｸｾｻﾘｰを盗まれたというｼｷﾞｭﾝ様の発言や、ｽﾘｭﾑ様がなく... そういえば、北欧地域では過去にもﾌﾘｯｸﾞ様のｱｸｾｻﾘｰが奪われる... 「なんだか怪しい事件の予感がしますね……！」 ﾅﾋﾞｨのその発言に静かに頷く。 もしかしたら、北欧地域の他の神々も同じ事件に出くわしてい... 神々の力の宿る盗まれたｱｸｾｻﾘｰを取り返し、ｵｰﾃﾞｨﾝ様とﾄｰﾙ様の... そしてこの時にはまだ、そこそこ大変な事件に発展するとは知... ---- &ref(追討！オーディンと波乱の宴エリアデータ/フィーバー会... 北欧の神々による宴はもう始まっていた。 楽し気な音楽や声が響き、豪勢な料理の匂いが森に広がってい... 「お待たせしましたー！お次は大技、脱出ﾄﾘｯｸに挑戦いたしま... ｸﾞﾙｳﾞｪｲｸﾞ様の演目、手品が行われﾊﾟｰﾃｨｰは一層盛り上がりを増... ｴｰｷﾞﾙ様の仕込んだｷｲﾁｺﾞの果実酒がふるまわれ、 ｲｽﾞﾝ様たちが作った料理やお菓子が卓上に並ぶ。 ――そんな華やか宴に怪しい影が一つ二つと近づく。 夜闇に隠れ、いくつもの魔神が静かに神々の宴を狙っているの... それらの魔神は、日中に見かけたあの怪しい動きをしていた魔... そう、神々からｱｸｾｻﾘｰなどを盗み、身に着けていた魔神だ。 神々はそれらの魔神の行動理由は、神の力に自らの魔の力を隠... 「なーにしてんの」 暗い影に近づく神。 執事姿の衣装に身を包んだﾍｲﾑﾀﾞﾙ様が、宴の周囲を見張ってい... 元々番人として務めを果たしているﾍｲﾑﾀﾞﾙ様の目や耳をごまか... それがたとえ、夜の深い闇のなかであったとしてもだ。 「悪いけど、ｵｰﾃﾞｨﾝの宴を邪魔するようなら容赦しないよ」 ﾍｲﾑﾀﾞﾙ様は魔神に向かってにやりと笑う。 「相手が魔神なら、ﾎﾞｸも思いっきりやれるからね」 愛馬ｸﾞｯﾙﾄｯﾌﾟを連れたﾍｲﾑﾀﾞﾙ様は、どうにも機嫌がいいようだ。 ---- その一角……女神の輪の中に混じって、ﾍｽﾞ様やﾊﾞﾙﾄﾞﾙ様、ﾅﾝﾅ様... 「変だな……」 「ﾍｽﾞ、何かあった？」 「……なんだか、森の奥でざわざわと音がするんだ。魔神の気配... 「魔神の？……大変だわ、急いで誰かに伝えましょう」 すぐさま、ﾊﾞﾙﾄﾞﾙ様らは近場に居たﾄｰﾙ様に情報を伝える。 ﾄｰﾙ様は若返り、ｳｪﾃﾞｨﾝｸﾞﾄﾞﾚｽをまとっている。 会場の隅で座っているだけでもなかなかの存在感を放っていた。 「なに、魔神だと」 「そうみたいだ。もしかしたら、見張り番をしているﾍｲﾑﾀﾞﾙが... 「えっ、何々～？ﾍｲﾑﾀﾞﾙちゃんが危ないって～？」 「確かに見張り番するって言ってそのまんま戻ってきてないも... 耳ざといﾛｷ様とｼｷﾞｭﾝ様が聞きつける。ﾄｰﾙ様はﾊﾞﾙﾄﾞﾙ様らとﾛｷ... 「ﾛｷ、ｼｷﾞｭﾝ、君達も一緒に来てくれないか？ﾍｲﾑﾀﾞﾙのところに... 「ｱｯﾊﾊﾊ！ねーｼｷﾞｭﾝ、聞いた～？確かにﾍｲﾑﾀﾞﾙちゃんのことは... 「ﾛｷ！主よ、まだそうやってひねたことを言っているのか。一... 「そーそー。見に行くなら早いとこ行こっ！それで、ｸｯｷｰがな... 「ふーん？じゃー、ｵﾚらが勝手に行ってくればいいかー。いい... それらの発言にﾛｷ様は笑っているが、その笑顔がどこまで本気... また、別の一角……ﾏｰﾆ様やｿｰﾙ様、ﾑﾝﾃﾞｨﾙﾌｧﾘ様、ﾀﾞｸﾞ様やﾉｰﾄ様... 「ｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様、まだ来てないのです～」 「お忙しいのでしょうか？早く会いたいです！」 「道端で出会ったはずなのに、まだ来てないのはちょっと変だ... 「ｳﾞｧﾙｷﾘｰとｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄも、ｷｲﾁｺﾞやﾄﾘｭﾌを準備してから行くと言... 「……何かあったのかしら」 宴の中で過る不安な予感。 一層、森の闇が深くなったような気さえするのであった。 ---- &ref(北欧の港/北欧の港０３.jpg,nolink,240x130); 夜の帳が下りた北欧の港。 静けさの中に、激しく硬い物体がぶつかり合うような音が響く。 「ｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ！そっちだ、私が追い込む！」 「わかった。撃ち漏らしはしない……！」 ｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様が魔神と交戦していたのだった。 ｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様の持つ大剣ﾊﾞﾙﾑﾝｸが魔神を穿ち、致命傷を負った魔... 「すごいな、ｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ……一撃で倒すなんてさすがだ」 「ｳﾞｧﾙｷﾘｰが狙いやすいように追い込んでくれたおかげだ。あり... 「そ……そうだろうか。こちらこそありがとう」 戦闘のために小脇に置いた、ｷｲﾁｺﾞやﾄﾘｭﾌ、特製のｽｲｰﾂが入った... 「宴には出遅れてしまったな……魔神に遭遇するたびに倒してい... 「だからと言って魔神を野放しにしておくわけにもいかない。... 二人が森へ向かって歩こうとしたその時だった。 「うわぁーっ！俺の金細工がーっ！」 ---- &ref(雪の森/雪の森３.jpg,nolink,240x130); 港から程近い、森の中で声を上げたのはｽﾘｭﾑ様だ。 また、ｽﾘｭﾑ様から離れた位置で葉巻をふかしているｽｨｱﾁ様の姿... ｽﾘｭﾑ様、ｽｨｱﾁ様の見る方向には、何体もの魔神が飛び交ってい... すかさずｳﾞｧﾙｷﾘｰ様、ｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様はｽﾘｭﾑ様の傍に駆け寄る。 「あれは！こちらにもこんなに魔神が出現していたなんて」 「ｽﾘｭﾑ、大丈夫か。……怪我はないようだが」 「ああ……ありがとう。俺自身は特に何もない、が……」 青ざめた顔のｽﾘｭﾑ様が指さす先にいる魔神の手には、夜闇の中... 「俺のｱｸｾｻﾘｰが……少し目を離した隙に盗られてしまって」 「それなら取り返さなければな。魔神を放っておくわけにもい... よく見れば、どの魔神もｱｸｾｻﾘｰをいくつか持っているようだ。 金や銀、宝石などで魔神の手元や首元が彩られている。 「なんだぁ？お前らもあの宝が目当てか」 「いや、魔神を倒して取り返すという意味では目当てかもしれ... 「ははっ、そうかよ。勝手にしな」 いまいち真意の読めないｽｨｱﾁ様の発言。 悠々と葉巻をふかしながら様子を見たままだ。 ｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様はそれぞれの武器を手に持つ。 そしてそのまま魔神の群れに飛び込む！ ---- 「ﾍｲﾑﾀﾞﾙちゃーん、一人でかっこつけちゃってさー！そこで何... 「何だっていいでしょ。宴に戻りなよ」 「そうはいっても、この辺で戦ってたみたいｼﾞｬﾝ！大丈夫ー？」 静けさが戻った、宴から程近い森の中。 ﾍｲﾑﾀﾞﾙ様が近寄る魔神を一人で討伐した後に、ﾛｷ様とｼｷﾞｭﾝ様が... 雪や森の木々にその爪痕が残っている。 「ﾎﾞｸは大丈夫。ｸﾞｯﾙﾄｯﾌﾟもいてくれたし、大した相手じゃなか... 「けど、何か変だと思ったら……ｱｸｾｻﾘｰを持ってる魔神だったく... --- ﾍｲﾑﾀﾞﾙ様の気づいた異変に、ｳﾞｧﾙｷﾘｰ様らも気が付く。 何体もいた魔神たちを討伐したｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様は、魔神... 「魔神たちの持っていたｱｸｾｻﾘｰが、砂のようになって消えてし... 「……まさか。知っていたのか？」 ｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様がｽｨｱﾁ様を振り返る。ｽｨｱﾁ様はｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様に向かっ... 「俺の金細工！」 危険が去った雪の中にｽﾘｭﾑ様が飛び込む。 しかし……。 「ない」 「確かにこの辺に落ちていったところは見たんだ……なのに……」 「ねぇ、だろ？」 葉巻を片手にｽｨｱﾁ様はくっくっと笑う。 「力を与えすぎると溢れちまうのさ。あの金細工はもうどこに... 「そ、そんな！？う、嘘だ……」 崩れ落ちるｽﾘｭﾑ様。 その傍でｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様の二人は顔を合わせ、確認しあ... 「すぐさま宴に合流しよう。それでこの異変を伝えなければ」 「ｽﾘｭﾑとｽｨｱﾁも、ここに留まるのはやめたほうがいい」 「わ、わかった……」 素直に承諾するｽﾘｭﾑ様。しかしｽｨｱﾁ様は葉巻をくわえながら森... 「ｽｨｱﾁもｽﾘｭﾑも、宴に参加していたんじゃなかったのか？」 「俺は途中で抜けて、飛び切りのｱｸｾｻﾘｰを持ってこようかと思... 「その……例の花嫁が居たからね。渡そうかと思って」 ｽﾘｭﾑ様の言う花嫁は若返ったｳｪﾃﾞｨﾝｸﾞﾄﾞﾚｽ姿のﾄｰﾙ様の事だろう。 ｽﾘｭﾑ様はあの花嫁がﾄｰﾙ様とは全く気付かず、花嫁として迎えた... 一行はため息をつきながら、ﾌｨｰﾊﾞｰしている宴の会場へ向かっ... ---- &ref(追討！オーディンと波乱の宴エリアデータ/フィーバー会... ｳﾞｧﾙｷﾘｰ様とｼﾞｰｸﾌﾘｰﾄ様、そしてｽﾘｭﾑ様が宴の会場に到着する。 ほぼ同時刻にﾛｷ様、ｼｷﾞｭﾝ様、ﾍｲﾑﾀﾞﾙ様も宴へ戻ってきた。 どちらのｸﾞﾙｰﾌﾟもそれぞれあった出来事を話す。 北欧の神々が集う宴のそのすぐ傍で起きた魔神との戦い。 雪深い森の中で起きた数々の異変そのものは小さい出来事に過... しかし、それがいくつも積み重なることで大きな事件に発展し... この異変は今に始まったことではない。 そう皆で深く考えていると、ﾄﾞﾚｽを着た若い姿のｵｰﾃﾞｨﾝ様が声... 「ﾊﾟｰﾃｨｰだと言うのにどうした！そんな所で一人で座っていて... 不安な思いが顔に出てしまっていたのだろうか。 若返ったｵｰﾃﾞｨﾝ様に言われ、思わず驚いた顔をする面々。 そしてｵｰﾃﾞｨﾝ様は明るい笑顔で答えた。 「魔神が現れようと関係ない。ここは俺の土地で、俺が守って... 「宴のためにと用意されたｸﾞﾚｰﾄな料理や酒、会場……どれもﾍﾞﾘｰ... ｵｰﾃﾞｨﾝ様のﾎｯﾄな一声で、魔神ごと不安や雪が吹き飛ばされたよ... 新しく生まれた不安や疑問はあれど、まだ宴は終わっていない... 短くとも日が昇るまで、○○は踊り続けることを覚悟したのだっ...

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