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時ノ欠片~第四章~ ストーリー のバックアップソース(No.1)

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※○○にはユーザー名が入ります。


「知らないなら教えてやるよ!星にまたたく英雄がいるって話!」

のどかな昼下がり。
ギリシャ平原には柔らかい風が吹き、絶好のピクニック日和だ。
○○はギリシャの神々とともに、ギリシャ平原でのんびりとした時間を過ごしていた。

「またその話?もう何度も聞いたわ」
「オリオンの自慢だからね。誇れることがあるって素敵だと僕は思うよ」

オリオン様、アテナ様、ペルセウス様も○○と共にここギリシャ平原で休憩をしており、
ちょうどオリオン様が強引に自分の英雄伝を語ろうとしているところだ。

「そうそう……って、オレの事だってばらすの早くないか?別にいいけどな!」
「あぁ、自分で語りたかったかな。つい口が滑ってしまったよ……」
「そういうわりには、オリオンったら嬉しそうね」
「えっ?……あ、わかった。アテナ、お前本当はオレの話聞きたかったんだな!」
「どうしてそうなるのよ」

噛みあっているのかいないのか、妙な会話をする3人。
そうしているうちに、三人の耳には遠方からの声が届く。

「アテナー!あ、ペルセウスとオリオン、○○もいる!こんにちは!」
「パラス!来てくれたのね」
「うん!平原広いから探しちゃったけど、すっごいいい気分!天気がいいからかな?」
「今日は一段と穏やかな日だよね。静かで過ごしやすいよ」

休憩するメンバーにパラス様が加わることで、一段と賑やかさが増す。

「オリオン、今日はプロキオンとシリウスとは一緒じゃないの?」
「後で来ると思うけど、そういえばまだ来てないな」
「猟犬だから、迷子になることはないと思うけど……いつ頃来る予定なのかい?」
「昼過ぎ、夕方くらいに待ち合わせしてるんだ。プロキオンに星座を教えてやろうと思ってさ!」
「ふふっ。どうせ、自分の話ばかりしたいんじゃないの?」
「素直に言っていいんだぜ!夜になればオレの星座を見ながら英雄伝を…」
「馬鹿ね、季節外れよ。今はあなたの星座、見えないじゃない」

神々の輪に混じり談笑する。
魔神との戦いの間にある、些細な出来事ではあるが、疲れを癒すには十分だ。

「それなら、わたしもオリオンの話、聞いてみちゃおっかな!」
「え?パラス……本気?」
「もちろん!だって待ってたらプロキオンにも会えるんでしょ?」
「じゃあ決まりだな!ペルセウスはどうする?」
「せっかくだし、僕も参加しようかな」
「二人とも……そうね。たまにはこういうことも悪くないわ」

○○もこの場に留まり、プロキオン様とシリウス様、そして夜を待つことになった。
上機嫌なオリオン様の笑顔がまぶしい。


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しかし。

「……変だな」

一番初めに異変を口にしたのはペルセウス様だ。
そして、ペルセウス様だけではなく他の神々も異変を感じていた。

「あなたも感じていたのね……一向に夜が来る気配がないわ」
「こんなに昼が長かったことって、今までなかったよね」
「確かに今って日が長い季節だけど、こんなに長かったことはないよな」
「夜が来ないなんて、何があったのかな……?」

皆が感じる異変とあって、神々の表情が険しくなる。
そこにちょうど、空を駆けるナビィの姿が神々の目に映る。

「ナビィ!ちょうどよかった!こっちこっち!」
「あっ!パラス様~!それにオリオン様、アテナ様、ペルセウス様……○○様!お会いできてよかったです~!」
「随分と慌てているね。何かあったのかな」
「は、はい~!大変です、ニュクス様の姿が見当たらないんです~!」
「ニュクス……!?」

神々が驚くのも無理はない。
ニュクス様はギリシャ地域の夜の女神であり、
夜にまつわる神々や、夜闇から連想される不吉な力を持つ神々をまとめる力のある神だからだ。

「そっか……夜が来ないのはニュクスさんが捕まったからなんだな」
「そうみたいです……!ギリシャ地域で時間の乱れが起きているのは間違いないみたいなんです」
「このままだと、ずっと夜が訪れない世界になってしまってもおかしくないな」
「それにエレボス様の姿も見当たらないんです。きっとニュクス様を探しに行かれたのかもしれません……!」

エレボス様はニュクス様と夫婦関係にある幽冥の神で、現在はニュクス様と共に冥界で静かに暮らしている神であるらしい。
夫婦仲は良好なだけに、ニュクス様の姿が見えないのであればエレボス様もすぐに気が付くか、共に捕まっているかのどちらかではないかと予想をする神々。

また、ナビィいわく、ヤヌス様が時間の乱れを発見し、それについてナビィが調査をしたところニュクス様が見当たらない事に気が付いたらしい。
夜の神と言えば、つい先日もインド地域の夜の女神であるラートリー様が捕らえられたことが記憶に新しい。
ラートリー様はウシャス様らの助けもあり、なんとか救出する事が出来たが……。

「ようやく追いついたか。うつつを抜かしている場合ではないぞ、ご主人様よ」
「ワン!プロキもがんばって走ったよ!」

ちょうどいいタイミングで駆けつけてくれたのは、待ち合わせの予定があったプロキオン様とシリウス様だ。

「あっ、シリウス!プロキオン!よく来たなー!今ちょうどナビィと話しててさ」
「異変の話か?それについてだが、俺も伝えたい情報がある」
「あのねあのね、プロキが見つけたんだよ!」
「プロキオンが?この異変に関連のあるものってことよね」
「おそらくはな」

シリウス様、プロキオン様に案内を依頼し、一行は先を急ぐ。


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「これは……!」

ナビィや神々が思わず息を飲む。○○もまた同じようにその光景を目の当たりにしていた。
そう、空間に黒い裂け目が生じているのだ。
黒い裂け目は、以前にも様々な事件を引き起こしていた。
そして、そのどれもが裏側でクレプシード家が糸を引き、起こしていた事件であったことが脳裏によぎる。
で、あれば。

「それなら簡単だろ!この中にニュクスが捕まってるなら、助けに行けばいいんだ」
「……それもそうね。今までだって、同じように事件を解決してきたんだもの」

オリオン様の言葉を受け、神々の士気が高まる。
裂け目が現れた事件はこれで4度目か。

「そ、そうですよね!ではナビィもがんばります!……あの子のことも、知りたいですし!」

ナビィも闇ナビィについて多くをまだ知らない。
闇ナビィだけではなく、魔神やクレプシード家……そしてファルとサイのこと。様々なことが謎に包まれている。
目の前で起きている事件や謎を解決するべく、神々と共に裂け目の中へと乗り込む。


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